海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

経験不足

共同研究している企業の人にこないだ大学の周りにいるジョロウグモを取ってあげたのだけど、うまく網を張ってくれないとのことで、コガネグモ系に変えようということで企業の人が小雨降る中ウチの町にやってくる。で、いつもギンメッキとってる竹林に出かけてまずはコガタコガネグモ。なのだけど、企業の人パンプスだよ。うーみゅ野外で虫とるって言ってるんだがなあ。まあええわと竹林へ。台風の後初めて来たけど、ここもすごいことになってるわ。既に倒れた木はある程度処理されてるように見えるけど、道にかからないところには放置された倒木がゴロゴロしていて、ともかく明るくなってるんだよね。これは来年ここでギンナガ採れなくなるかもなあ。で、コガタコガネグモはサクッと採れて次はうちの畑の近くでナガコガネグモ。こちらもさっくり。ほぼ30分ほどで採れる。しかしシーズンも終わりかけで、そのことも訴えてるんだけど、企業の人はイマイチこちらのいうことにピンと来てない感じ。今日採ったのもきっとバタバタ死んでくぞ。のんびりしてる暇ないぞ。

シェフの気まぐれサラダ

いよいよ来週から授業が始まるという今日は朝から雑用で大学に行かねばならない。あとわずかしか残っていないオレの自由時間を奪わないで欲しいと思うのだが、そんな嘆きを誰かが聞き届けるわけでなし。仕方がないからここに書いて憂さ晴らしだ。ってか、この仕事はやらなきゃしょうがないんだけどね。ということで、午後遅くまで拘束され、あまつさえお昼に弁当まで食わさせられる。辛い。ということで、やっと夕方解放されて、学会のポスター作らないとまずいのでガシガシ作る。あんまり凝ったことする時間がないので、春に作ったやつのデザイン流用だ。けど、ついついいらんことやり始めるのがポスター作る時の私の悪い癖で、気がついたら写真からギンナガとミナミノシマの御尊影を切り出そうとして四苦八苦していた。で、もうこうなったらすべて写真に語らせてしまえ、と、そのための素材をS宮さんに発注して、そうなるともう今日はできることないなあと思ったところで19時になったので帰ってくる。

二項検定最強伝説

昨日ヨメサンが持って来た資料は、島本町に2つある中学校で1年間に生徒が部活中に怪我をしてスポーツ保険を申請した時のものだ。で、その件数を数えると、A校が32件、もう一つのB校が17件だった。あれ?生徒数はA校が313人、B校が366人なのにケガの件数はA校が多い?A校の一人当たり事故率は0.102でB校の0.046の2倍以上だ。で、313/(313+366)=0.458を、事故が二校のうちA校で起こる理論確率として二項検定にかけると、事故が二校の間でランダムに起こるという仮説は、1%水準で棄却される。A校事故多くね?

えー?と思って、次の興味は二校の違いがA校の事故率の高さからくるのかB校の低さから来るのかということに移る。そこで、同じデータをより大規模にとった、独立行政法人日本スポーツ振興センターによる「課外指導における事故防止対策 調査研究報告書」を見てみる。

www.jpnsport.go.jp


すると、中学生の運動部員一人当たりの平均事故率は0.078だとある。ただ事故率は部によって大きく違っていて、柔道部が1番高いのだが、ゴールがあってプレイヤーが交錯しがちなバスケやサッカーなどが次に高く、陸上のような個人技だったりネットを挟んで対戦するテニスや卓球などは低いのである。で、うちの町の中学で行われている部活だけで事故率を再計算してみると若干下がって0.075となるわけ。

ともかく、この値はうちの町の中学校二校の間に位置するわけで、これじゃ先の仮説のどっちかわからんじゃん、と一瞬思うのだが、いや違う。うちの町のデータで計算した値は生徒一人当たりの事故率で、0.075とか0.078とかは運動部員一人当たりの事故率だ。単純に比べられない。

ということで、ヨメサンに、中学生のどのくらいが運動部に所属してるものかね?と聞いてみると、エライものでちゃんとそのデータが出てくるのであるな。両校合わせてではあるが0.76らしい。これを使えば運動部員数が推定できてA校が238人、B校が278人となる。運動部員あたりの事故率は0.134と0.061だ。ということで理論確率を0.075として再び二項検定すると、A校の事故率は0.1%水準で有意に高いことがわかる。一方のB校は調査研究報告書の値と有意な差はなかった。ここからA校では何かおかしなことが起こっている可能性が疑われる。えっと、これでヨメサンの議会での質問項目が1つ増えたわけ。

ところで上にも書いたように、部の種類によって事故率は大きく変わるのでA校の事故率の高さは怪我しやすい部に部員が偏っていることが影響している可能性はある。残念ながら各部の部員数のデータは手元にないので、その辺りのきっちりした検討は今はできないのだけど、とりあえずA校で行われている部活の中で最も事故率が高いのはバスケの14.7%で次がサッカー部の11.6%ということは指摘しておきたい。つまり、全員がバスケ部かサッカー部にでも入ってない限り全体で13.4%なんかにはならないわけで、それはさすがに現実的ではないだろう。

真の休日

今日は何もしなかった1日。久しぶりに何もしなかったぞ。やったことといえば、月1開催のオーガニックマーケットにぶらぶら行って、曇天のもと密議したくらい。あと、夜にヨメサンが出して来た資料からカウントして簡単な検定をしてあげたくらいか。昼間何もしなかったからこれくらいのサービスしても良いかと思っただけで、決してお人よしの現れではないぞ。

農奴

某駅西側開発で増加する人口がどのくらいになるのかの推定について、行政の見積もりがあまりに雑なのでしゃーないから自分でやってみてたのだけど、その根拠がイマイチ精密さに自信がなかったので(とはいえ行政のよりはずっとマシだが)、朝なかなかヨメサンが起きてこないので、ヒマヒマに検索してみたらば、ぴったりの根拠をくれる論文が見つかって大喜び。1時間ほどかけて推定して文章書いて、ヨメサンとは別の議員さんに送付。せっかくなので、ここでもそのうち公開する予定。午後になって雨の止み間にヨメサンに徴発されて、ヨメサン管理下で放置されきってたために草ぼうぼうになった畑に出かけて草むしり。植わってたイチゴが草に飲まれて腐っていて哀れ。ともかくガシガシむしるのだが、雨上がりなので草むしりには最適である。簡単に抜ける。とはいえいくら一本あたりを抜く労力が小さいとはいえ、あまりに草が多いわけで、両者の積であるところの総労力はやはり大きかったのである。ああくたびれた。っていうか、ヨメサンの原稿とか添削させられるのは、まあ引き受けるとしても、なぜオレは畑の管理まで手伝っているのであろうか。お人好しにもほどがあるのではないか。

エントロピー増大

企業との共同研究をしていることは何度か書いているが、来週その関係でナガコガネグモを採ることになった。で、ウチの近くには毎年ナガコガネが10個体程度見つかるところがあるので、今年もいるかなと思って見に行ったらば、ちゃんといつもと同じくらいの数がいた。で、こいつらがいるのはほんのわずかの面積の地域で、その周りにはいないように見えるのに、どうしてこんな小さな地域わずかな個体数で個体群が維持できてるように見えるのか不思議。っていうか、ここで採集したらまずいかもなー。ともかく、最悪この場所で採集できることがわかったので、満足して帰る道すがら、畑を覗いてみたらエダマメがこないだの台風でなぎ倒されていたので、起こして土寄せしてドロドロになって帰る。夜、また強い雨が降ってきて、吹き込んでこないよう窓を閉めて回ったのだが、ふっと気がつくと、なんか外からドボドボと大きな音がするじゃないか。何ですかねあれは?とヨメサンと話していると、「これよ!」と。隣の家はしばらく前から空き家になってるのだけど、どうも台風で雨樋のジョイント部分が外れてしまったらしく、その二階部分の外れたところから雨がドボドボ出ているようなのだな。うーむまるでこれは打たせ湯のようじゃわい、とか思うものの、その打ってる場所がウチのエアコンの室外機となると穏やかではいられない。こんなことで室外機壊されたらたまらんわけで、どうしようか考えて室外機の上にいた立てかけることにする。というわけで、ひどい豪雨の中カッパ着て作業。隣の空き家にはシャッターがあって、そこも台風で壊れて飛んではいかなかったもののバタついている状態。空き家が増えてスポンジ化が起こると問題だと言われているけど、なるほどこういうことかと合点がいった次第。

迫り来る後期

今日は勤め先で会議。これがあるということは、後期の授業開始が迫りつつあるということ。気が重くてうなだれちゃいます。ので、後期の英語で科学記事読む授業の準備で内職に勤しむ私。ところでヨメサン9月議会なので私が晩御飯係になるのだけど、当初の予定では今日で議会は一区切りで今夜はヨメサンにバトンタッチだったところ、台風のせいで2日も議会がお休みになったので明日までかかることになった。しかし、私は今日の夜には予定があるのだ。というのも「インクレディブル・ファミリー」の字幕版の関西での上映が今日で終わってしまうからだな。ここで映画に行くのは当初の予定通りでもあったので、晩御飯作りはごめんなさいして、夜にシネコンへ。ちゃんと寝なきゃダメ、と言う話。1作目も2作目も原題はIncrediblesなのに、1作目の邦題をMr. インクレディブルにしちゃったもんだから、2作目で盛大にハシゴ外されちゃって日本の後進性が露わになるという。さすがに今作の話でMr. インクレディブル2とはいかないよなあ。1作目からファミリーを邦題にしとけばよかったんだよ。だって、あれも家族の話じゃん。で今作は、女性の社会進出や、情報化社会で主体性をなくす大衆、なんていう重いテーマを扱いながら娯楽作品としてはパーフェクトな仕上がりで、アクションの面白さとかうっとり。特に異次元移動をしつこいくらい繰り返すところが私的にはお気に入り。ただ、あまのじゃくな私としては、ここまで完璧だとなんだかつまらなさも感じたりする。作品の歪みこそ愛すべきポイントのような気がするのね。