海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

リーダーシップについて

今日も1つサンプル数を増やすことに成功。あと難しいのは1つだけになったよ。ここで勝率5割の勝負が5勝8敗となる。5連敗した時は、勝率が5割ってウソじゃないか?と疑念を持ったのだけど、ここまでくればやはり理論値通り5割であろうということになる。つう事で気持ちよく授業へ。科学記事を英語で読むやつ。今日は博物館が植民地時代に収奪してきた資料を返還するよう求められている、という話。なんかこれまでの3倍ほどのスピードで読めていく。そうか今回の記事は科学記事というより社会問題についての記事だから、そういうのなら読みやすいんだ。なるほどねー。と、夜はお弁当を食べる仕事。つらい。別に仕事自体は良いんだがお弁当食べなきゃならないのが辛い。ところで「オクトーバー」を読んだ。1917年の2月から10月までのロシアについて物語仕立てで語った本。何をかくそう、オレ、ロシア趣味があるんですよ。本書も、表紙デザインのカッコよさにしびれて買ったの。で、読んでみて、自分がロシア革命について何も知らなかったことが分かった。考えてみれば「レッズ」くらいだよなオレが触れたことのあるのって。どこがロシア趣味やねん。ともかく、読んだ感想としては、2月が一番革命らしいことが起こって、あとはただグダグダに崩壊していくだけだったように見えたので、思ったより血は流れてないように見えて驚いた。で、崩壊の中心にいた、臨時政府の首班のケレンスキーって当時まだ30代だったわけよね。そりゃその年齢で混乱した社会を上手くかじ取りするのって能力的に無理よね、と思った。能力はないけど偶然の綾でそんな地位に就いちゃった不幸。ケレンスキーだけじゃなくてロシア全体にとっても不幸。彼が出しゃばらずにすぐに退場していれば、世界の方向って別の方にいってたのかもね、そしたらスターリンも出てこれなかったのかもね、って思った。あり得たかもしれない別の世界を思いながらこれを読んで、でもこれは現在を生きる我々にも突きつけられてるんだな、と思うわけよ。

 

オクトーバー : 物語ロシア革命 (単行本)

オクトーバー : 物語ロシア革命 (単行本)

 

 

二次下請け

そういえば、秋に京大で開かれる個体群生態学会のシンポジウムで交尾器破壊のことを喋る事になった。それは良いのだけど、講演は英語でやれとのことなのだ。私、英語のプレゼンは普通の一般講演の15分ほどのものしかやったことなくて、30分喋れといわれて、ちょっと怖じ気づいているのでありますよ。ってか、私にそんなことを無茶ぶりしてT見さん大丈夫なんですか?みたいな話なのだけど、聞くと、T見さんもS田さんから無茶ぶりされたらしい。そこからの話ならそりゃ私も断れんやんか。

手の平返し

今日は成功した!やっと成功した!!一気に必要サンプル数の20%をゲット!!!よーし終わりが見えてきたぞー。ホクホクと大学に出かけて少人数講義。今日は卒論生に論文の何たるかを講釈する。彼女らは、何か良くわからない問題について精いっぱいの努力で自分なりの答えを出して主張する、ということについてほとんど理解がなく、学校ですることはどこかにある正解を探し出してきて提示することだと信じて疑っていないので、とにかくそうじゃないんだよ、ということを述べる。で、論文の形式というのは、その行為がきちんとなされるよう構造化されているのであって、結果では事実のみを述べ、解釈は考察でするように場所を分離するのであると、と訴える。しかし考えてみれば、世界には正解しか存在していないと思っている人には、事実と解釈の区別がつくはずもないじゃないか。ので、ピンと来て、「えー、ここに北川景子綾瀬はるかがいるでしょ。私が綾瀬はるかの方に近づいていったのを君たちが見れば、ああ、先生はほんわかした雰囲気の女性が好きなんだな、って思うよな。このとき、私が綾瀬はるかの方に近づいたのが、事実で、ほんわかした雰囲気の女性が好きだってのが解釈。で、解釈は常に間違ってる可能性があって、私は単にとがった顎が好きなだけかもしれない。だけど、綾瀬はるかに近づいていったという事実は間違ってないじゃん。この2つを分離することが大事なの」って説明したわけ。わかってもらったような気がする。綾瀬はるか偉大なり。

知性化でGO

5連敗である。火水木と授業があるので、つまり金曜から月曜までは、気兼ねなく実験ができるわけで、まあいうたら稼ぎ時のはず。それが4日間で13時間投入して成果0なんだからもうどうにもならん。仕方がないので、午後からクモの補充に行くのだけれども、濃厚に漂う交尾シーズン終わりの雰囲気。何とかそれなりの数脱皮直前の個体を見つけたけれども、どうにも勢いがない。4ヵ所回ってそそのうち2個所なんか成体のギンメッキの数さえ少ない。ひょっとして今年は季節が早めですか?つうことで多分今日とれたのが最後だろう。ちゃんとサンプル数が目標まで行くのだろうか…それはともかくウチのニャーちゃんだ。彼女には芸を仕込んでいる。おやつを食べるときに、こちらが手の中に隠し持つと、その手を前足でトントンと2回叩くという芸だ。それをすると手のひらを開いてやって、おやつをあげるという仕組み。典型的なオペラント学習であるな。ところがだ、今日晩ご飯のおかずはイサキの煮付けだったわけだが、みんなで食べていると、ニャーちゃんが食卓の上に上ってぶーちんの横にちょこんと座ったかと思うと、トントンとぶーちんの腕をたたくじゃないか!!そうかあイサキ食べたいよねえ、、、って!なに?!ネコって一般化学習ができるってこと@@すげーびっくりしたのだけど、これってネコ屋さんの間では常識なのでしょうか?

桐島

もうダメだ昨日から勝率5割の勝負に負け続けて4連敗。つうことで、実験のやる気をなくす。まだ使えるクモは手元にあるけど、もうやらない。ほとぼりさますねん。補充のクモも取りにいかへんねん。やってられるかい!どうでもいいけど、昨日の夜、楽器屋に行ったのだ。ぶーちんがピアノを弾きたいなどと言い出したのである。町のピアノ教師のせがれであったところの私としては、こういうことを言われては反応せざるを得ない。といっても、大学教師風情の薄給でピアノなど買えようはずもないわけで、まあキーボードあたりでお茶を濁すかなあと思っていたわけ。しかし、今どきは電子ピアノってすごい発達してるのね。店員さんに薦められたのを叩いてみると確かにこれは数万円のキーボードとはものが違う。そして、本物のピアノほど高くない。これなら薄給でも非現実的とまではいえない。ただ問題は、ぶーちんが今年中三だということ。受験じゃん。本物ほどではないとはいえ、下手なパソコンよりも高価な品である。買って使われない事態だけは避けたい。かといって元を取るくらい使われるのも受験生の親としてはやはり困る。つうことでスタックである。どうするべえかなあ。

アームチェア・ディテクティブ

18世紀にスペインでクモの糸で服飾品を作れるかどうか検討した人がいて、クモを固定して糸を糸巻きにとる手法を開発したりもしていた。で、その人が当時、自分の研究について書いたパンフレットを作っていた事を知る。わー、読みたいじゃんね。調べてみると、そのパンフレットは一部だけを除いてすべて失われていたのだけど、その一部を19世紀になってから復刊した人がいるのであるよ。で、アマゾンはすごくって、その復刊本も扱ってるらしい。うわー、それ買うべきやろうかめっちゃ読みたいねんけど、、、とアマゾンのサイトに行ったらば、無料でダウンロードできてkindleアプリで読めてしまった…すごい時代だ。そういえば、やっぱり18世紀の女王陛下の哲学紀要にクモ糸で作った手袋の記事が載っていて、読みてーと思ったらちゃんとPDFがダウンロードできた。すごい時代だと思うよ。翻って本邦のダメダメさよ。

夜の燕

最寄り駅付近では鉄道は高架になっていて、改札の前は線路の下の空間が広場になっている。で、そこには長谷川書店があるので、私にとって大変馴染みの深い場所だ。で、この時期天井近くにはツバメが巣を作っている。で、今日の夜、ヨメサンと長谷川書店に行って、さあ帰ろうと改札前の広場に出ると、ツバメが飛んでいるのだけど、飛び方が普通と違う。ツバメというと尖った羽をすっと伸ばして高速に飛んでいくのが常だと思っていたが、今日はなんだかひたすら羽ばたいてほとんどホバリングだ。エサでも食うためにそうしてるのかと思って眺めていると、気がついた!なぜ彼らがそういう飛びかたしてるかっていうと、広場の外には出て行かないからだ。照明されている領域だけ飛んで、暗くなった外では飛ばない。畢竟飛行範囲は狭まるので、いつものように高速に飛び回ることができないってわけだ。わー面白い。そんなことしてるなんてしらなかったよ。照明されてるから虫もよってきてエサにも不自由しないのだろうしねえ。