海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

勇気欠乏症

泊まっていたもう一組のお客さんはてれまくりに来たとの事。朝ご飯の前に、いろいろお話する。なんか聞いていると、こっちまでテレマークしてみたくなる。フリーヒール、というコピーもそそられるじゃないか。で、今日も岩岳に。岩岳の宿に泊まると宿泊者限定の安いリフト券を買う事ができるのだけれど、今回岩岳で滑るかどうか決めてなかったので(天候によっては栂池に逃げるかもと思っていた)、宿にはその限定リフト券がなかったのだな。で、その券は宿の人が観光協会で買わなきゃならないらしく、奥さんが一緒にスキー場まで来てくれると言う。当日の朝になって突然リフト券が欲しいとか言い出すわがままな客にもイヤな顔1つせずよくしてくれる、こんな素敵な宿に出会えたウチはなんて幸運な事だろうとヨメサンと話しあう。最後、奥さんに「また春スキーがしたくなったら来てくださいね」と言われて、嬉しくってハイって答えたのだけど、もう三月は空いている週末が無いのであった。。。

滑り始めてみると、どうも夜の気温が下っていたようで雪質は昨日より良くなっている。空も雲一つ無く、前回は山頂に雲がかかっていた白馬三山もクッキリ。そうしているとぶーちんが「超上級のコブコブコースを滑ってみたい」と言い出すもので、これはチャンスと皆を連れていく。ボーゲンを脱却し始めてる頃のぶーちんには正直辛い斜面だろうけれども、実力以上の斜面にチャレンジするその精神やよし、だ。そのコースはまた白馬三山が見事に見えるところで、急斜面の入り口で絶景をしばし堪能する。で、子供たちは途中板が外れたりはするので、それは助けるけれども、後は問題なくずりずり滑っていく。問題なのはヨメサンだった。今シーズン随分と上達したので、これくらいの斜面でもコツをつかめば降りられるとこちらは踏んだのだけれど、現実は斜め上。斜面を怖がって、進もうとしない。コブの山肌に沿ってスキーを回すといいよ、と教えるのだけれど、その声も耳に入らないらしく「ムリ、ホントにムリだから」と呟いては立ち尽くすのみ。いやわかるけどね。こんな急斜面で体を下に向けたらそのまま落ちていきそうで怖いのは。しかし、ヨメサンはちゃんと板には乗れているわけで、そこをぐっと理性で克服したら滑っていけるはず、まあほっとこか大人やし、とコケたぶーちんを助けに行って、さてヨメサンはどうしたかな?と上を眺めると、あろうことか板を外しているじゃないか。そしてストックも一本流しているあんまりムリなので歩いておりようと思ったらしい。しかし寒さで凍った急斜面、板がないと足場も得られないわけで、本当にピクリとも動けなくなってしまっている。これはまず板を履かないといけないけれども、足場が作れなければ履く事も難しい。少なくとも一本しかストックのない現状では、片足履くのがやっとだろう。仕方ないので、板を一本ストック代わりにして片足だけでいいから履いてみろ、と声をかけて、流れたストックを拾うために斜面を登る私。10mほど上がったか。中年の肉体にはきついよ。とはいえ、ヨメサンも何とか片足履けたようで、これで少し移動が可能になるわけで、コブの谷のあるところまで少しずつ降りてきてもらって、そこで私が支えながらもう片方も履く。で、とにかく大丈夫だから、怖くないから回ろうね、となだめすかして、何とか下まで降りてくる。上の子は「30分くらい待ったよ」とおっしゃる。ヨメサンは「もう二度と行かない。これからは絶対に私を誘わないでよ」と、私を憎みにかかってくる。ふえーん。

てなことがあったり、ゲレンデで宿で同じだった親娘とバッタリ会ったりとかしながら今日も最後まで滑る。一日晴れていて暖かだったけど、思ったよりも雪はよい状況が保たれていて、快適な今シーズン最後のスキーだった。いつもシーズン最後のスキーの日は寂しくなるのであるなあ。また10ヶ月近くお別れかあ。

お風呂は、宿の奥さんに教えてもらった、エコーバレーにあるラフォーレ白馬というホテルの日帰り湯に行ってみる。外来利用は5時までだけど、岩岳からならリフトが終わって急いで片づければ間に合うだろうと。すると、他のお客さんがいないのですよこれが。これまでいつも白馬の帰りのお風呂は芋洗いの中で落ち着かなかったわけで、塩素の匂いがする湯だったとしても、空いてる方がずっとよいなあと思うのだな。子供料金無料だし。また使おう。で、白馬飯店で晩ご飯食べて、Aコープで買い物して帰ってくる。19時15分白馬駅前発で到着は23時45分。4時間半だな。

ところでどうでもいいけど、今回は前泊日の夕食と温泉が安く上がって、リフト券も諸方のおかげで通常の1/4ほどで済んだので、費用的な負担が小さかった。今年からぶーちんもリフト券がいるようになり関西からだと高速代ガソリン代も上がり前泊もするようになったので、スキーにかかる費用がバカにならなくなっていたわけで、今回は助かったのであるよ。というわけで、今年のスキーも多分これで最後。合計で9日滑走なので、ここ数年では一番滑走日数が少ない年。関西からだと遠いからなあ。とはいえヨメサン子供も上手になってきて一日当りの滑走量は増えているはずだから、それでよしとしようかな。