海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

エキサイティング

朝起きたらナショナルジオグラフィック日本版サイトに交尾器破壊記事の翻訳版が掲載されていた。

メスの交尾器を破壊するクモ、日本でも発見 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

実は一昨日から原稿を見せてもらって、私のセリフ部分をより自然に直したり、英語版記事ではオミットされていた些細な情報を加えてみたり、英語版ではボツられた動画を提供してみたり、と、日本語版は英語のよりブラッシュアップされているという。いやー、そういえば先を越されたのを知ったのもナショジオの記事だったわけで、結果的にこうして私のも取り上げてもらえるとこまできたのは、なんか感慨深いよ。

で、興奮している場合ではない。今日は総会と受賞講演が15時まで続くので、これ幸いと先週末にやってきた4ページものの原稿を仕上げなければ。締め切り今日だし。で、朝からホテルでセコセコ、スタバでセコセコやって、13時にはなんとか形になったので送信。ホッとしてお昼。いや、毎日食いすぎで、ホテルの朝食バイキングでたらふく食べたらもうほんとはお昼いらないんだけど、一回くらい牛タン食べようと思うと、ここしかチャンスがないので。ということで利休に。うーん、お約束だから食べてみたけど、オレあんまり牛タン好きじゃないかも…

で、会場に。今回私的に一番参加したかった英語化に関する集会だ。なんせ「英語化は愚民化」の著者であるところの施光恒さんが講演してくれるというじゃないか。ミーハーなオレとしては是非聞きたい。それに、今年の生態学会では英語講演がかなり増えた印象があって、いくら差別化の意図はないと説明されたって、そりゃ日本語で講演しにくくなる状況が訪れることを懸念するわけよ。ということで、生態学の内容の集会じゃないけど楽しみにしていたわけ。で、お話は中世社会におけるエリート言語としてのラテン語と土着後の関係から、宗教改革を経て国語が成立して近代国家と民主主義が起こったということから今の英語化の流れが中世化であるということと、明治期の西洋文化の受容において英語を公用語化するのじゃなくて翻訳を行ったことの重要性について、あと世界的に見たときの現状の英語利用の公正性の問題の、主に3点であった。で、もう私的には、日頃の斜めからしか人の話を聞かない態度は何処へやら、全部うなづいて聞かざるをえなかった。しかし、経済的にはもう成長の見込みにくい新中世だよなあと思っていたけど、社会構造の点でもそう言えるのね、と思った。

で、盛り上がったので学会懇親会のあとに開かれる二次会にも参加することに。こういうの、人見知りの私にしては大変珍しいことなのです。移動途中でバイオロギングのS藤さんに、古巣での学術講演会のことでご挨拶。まあ紹介した手前。でブラブラと懇親会。一年に一度のK那部さんとお話しする機会もちゃんとこなした。レジオンドヌールは1ユーロ貰えるそうだ。

そして二次会。向こうでS藤さんとU丸さんがケツァルコアトルスが飛べなかった話を延々している中、こちらは施さんと民主主義と移動能力の話とか、社会の適正規模の話とか、ダンバー数の話とか、王貞治一本足打法の話とか、色々話した。大変楽しく、やっぱり異分野の面白い人と話すのはサイコーですね。いや、ここ数年の生態学会の中で、不真面目な学会員たるオレ的には一番の集会だったよ。