海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

極楽浄土

学会も今日の午前中でいよいよ終わりだ。最後にアシナガバチ二種の比較の話を聞いて、???と思ったけれどもゆっくり考えている暇はない。空いている午後の時間を使って、せっかくここまで最西端記録を更新しているのだから、ユーラシア大陸の本当の西の果て、ロカ岬まで行こうじゃないかと前の日にMぺさんと打ち合わせしていたのだな。昨日下調べして、13時20分にバスがあることがわかっていて、学会が閉まるのが13時の予定。で、会場からバス停までは500mほどなので、十分に行ける、と言うプラン。なんせバスは1時間に一本しかないので、これには是非乗りたいところ。ところが、そのアシナガバチの講演の終わりが延びて、13時になってもクロージングセッションが始まったばかり。で、また間の悪いことに、会場でMぺさんと離れた場所に座ったものだから、どうするか相談もできず、ともかく私は会場からの脱出を試みるわけ。すると遠くの方にMぺさんを発見したので、熱い視線を何度も送ってみるのだけど、ちっともこちらに気がついてくれない。そうこうしているうちに時間が過ぎ、もう13時15分。さすがにやばいので上品なことはやめて、Mぺさんの席まで人をかき分けて行って、気がついてもらう。しかし、会場を出たらもう2ー3分くらいしかない。走りますか?走ろう、ということで走り出すアラフィフのおっさん2人。アラフィフって言ったらもう初老でもおかしくないのよ。それが500メートルダッシュってキツイのよ。しかし最西端のためならそんなこと言ってられないので、泣きながら走ってなんとか間に合う。やればできるじゃん。ということでバスはシントラへ。いや、ロカ岬だけじゃつまらないので、シントラでいろいろ見ようと思ってさ。で、着くと14時半近く。どうしたものかよくわからず呆然としていると、どうもシントラ循環の観光バスがあるらしくそれを見つけて乗車。王宮に着く。ぱっと見、地味かなと思ったけれど、中はとても豪華で意匠とかとても面白くて、ただでさえ興味が湧いていたポルトガルの歴史にさらに興味が深まるわけ。で、感動して1時間弱くらいゆっくり見てから外に出て来て、いやそれにしても17時ごろにはロカ岬行きのバスに乗りたい。で、今は15時半前。まだもう1箇所くらい行けるよね。じゃあペーナ宮殿ってのがあるらしいからそこへ行こう、と、バス停に行ったら長蛇の列。一本見送ってやっと乗れた。ただでさえ時間が押していて焦る私だがMぺさんは悠然たるもの。私もかくありたい。で、やっとバスに乗って揺られて着いたら、ここも入り口に長蛇の列で動かない。30分ほども待ったろうか、やっと入ったけれども、まあなんちゅうかこう言うのは京都南インターの近くでよく見るよね、みたいな不遜なことを言って見たりする私。そういうわけで、こちらはさらっと流して17時過ぎてに外へ。うーんもうシントラを出ているはずなのに。ともかく、帰りのバスも待たされたらどうすんねんと思っていたらば、運良くすぐにバスに乗れて、麓のロカ岬行きのバスの乗り継ぎもほとんど時間のロスがなく、17時40分に出発できたと言う。で40分ほど揺られてはるばる来たよロカ岬。すんごい風で、そうかこれが大西洋を渡る風なのね、と思う。よく考えたら、大西洋を見るのは生まれて初めてかも。カスカイスの海は大西洋と言って良いのかよくわからんから。unstable cliffと書かれているところにも人はドンドン行くわけで、まあこの景色の魅力を見るとそれもわかる。つうことで柄にもなく感動しまくって、帰りのバスはカスカイス行き。結局19時半に着いたので、30分遅れで済んだ。これも全て最初走ったからである、と、行けばかっこいいのだが、今だから書くけど、最初のバスが走り出してどこに向かったかと言うと会場方面で、会場すぐ脇のバス停から乗れたことが発覚。走る必要全くなかったやん!という粗忽な下調べっぷりを露呈する。ともかく、カスカイスだから魚を食べるが今日も美味かった。オレはなぜカスカイスに宿を取らなかったのか。ということで充実した1日を終えエストリルに帰って来たけど、降りるときに機械にプリペイドカードかざすのを忘れてそのままホテルに戻って来てしまった。