海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

生態学役に立つ

生態学なんてやっているわけだけど、そうするとまあ今の我々のライフスタイルなんて持続不可能だと思うわな。ポテンシャルの差を原動力に駆動する今のシステムを維持するには低いポテンシャルの場を常に探し続けなきゃいけないのだけど、そんなこと不可能だし、それが必要のない開発につながって生き物が減ってくわけよ。じゃあポテンシャルの差のない世界で広く薄く広がった資源を利用して生きてくってどういうことかっていうと、自律分散した生き方になるわけで、それには食べ物くらい自給的にやらんでどうする、と。つまり農業でしょう、ということで、生態学やってたら農業したくなるのは理の当然とか嘯いている私であるが、某若い友人が本当に就農したと聞いて、ヨメサンと一緒に話を聞かせてもらいに篠山に出かける。ヨメサンはヨメサンで自分の仕事の糧にしたいらしい。で、午前遅くに出発して1時間ほど車を走らせて篠山の東の端の集落に。どこか途中でお昼ご飯食べようと言ってたけどどこにも見つからないまま着いちゃった。うーん食いっぱぐれるか?と不安になりながら古い家が並んでいる通りをゆっくり走らせていると、イタリアの国旗が見える。おお、こんなところになんかオシャレなイタリアンがあるじゃないか。ということで、パスタでお昼。お値段はしたけど、美味しかったので満足して、お宅に伺う約束の13時に友人に電話して場所を聞くと、そのイタリアンのお向かいだった。とりあえず何箇所かに分散している耕地を見せてもらいに行く。トノサマガエルやらアカハライモリやらヤマカガシやら大量に見る。さすが生態学徒が無農薬でやってる畑である。素晴らしい。1時間ほど外を回ってからお宅に帰って、色々お話を伺う。就農にあたって補助金をもらってないと聞いて驚くけど、ライフスタイルの部分から農的に暮らすことを目的としていると、そういうのは補助してもらえないらしいと聞いて、やっぱこの国はラジカルな方向性を嫌うんだなとがっかりする。あと、一人でやれるのは1ヘクタールが限界という話が興味深かった。で、1〜2時間と言ってたところ3時間半もお邪魔して、勉強になったねーと言いながら帰る。こう、なんつうか、生態学って、真面目に真面目に考えを突き詰めていくと、ライフスタイルの変更をこちらに強いてくるわけで、でもそれって未来を作ることに繋がるよね。今のやり方なんてそんなにいつまでも続かないわけで、じゃあどうしたら良いかって考えるのに役立つよね。ってか、私のできなかった人生を選んだ若い友人のことは応援せんとなーということで、この秋は黒豆を買うことにします。夜は町の寄り合い。