海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

木に登る

午前中はクモ採り。三箇所ほど回る気満々だったけど、最初に行ったところにわんさかいてそこだけでサンプル瓶が尽きたのでハッピー。そういえば昨日クモタケが某神社で出ているという話を聞いたので、時間も余裕ができたしと思って見に行くけどよく分からず。代わりにここにもギンナガがたくさんいることがわかった。もう満腹。で午後、某誌の編集仕事をしようと週末ほかっておいた原稿を読もうとすると、ヨメサンが「今から役場に行くからついてこい」とか言い出す。なんでも町が6年前に2000万円もかけて行った動物相調査の報告書があるのだけど、それが保存期間が5年という扱いで、いつ廃棄されてもおかしくないということで、とりあえずコピーするのだけど、厚さ5cm以上にもなろうかという巨大ファイルなので、全部やるのは無理だからどこをコピーするか選ぶので来い、ということらしい。いやそう言ったってオレもやらなきゃならないことがあるし、今は仕事時間だし、と抵抗してみると「お前は動物の専門家だろう。専門家としての意見を求めているのだから立派な仕事ではないか」と詰められ、それはまことにもっともであるので、やむなくついて行く。っていうか雨降り始めたから私が運転手で車で行くわけ。専門家への敬意とかどこにあるのか。で、数分走るうちに雨脚はものすごいことになって、傘があっても外に出れないレベル。で、駐車場でしばし足止めされた後、やっと少し弱まって来たので庁舎内に。で、件のファイルを眺めるのだけど、これがなかなか立派な調査で、危うく廃棄になりそうって、もうムッチャもったいない。で、中身的には確かに分厚いのだけど、そのページの7割ほどは調査風景や見つかった動物の写真で、それを除けばたいしたことがないとわかる。で、まあ一番大事なのは発見種のリストであろう。どれどれクモはどんなん出てるのかな?とリストを探す。と、脊椎動物は本文中にリストがあり、昆虫類と淡水ベントス、土壌動物については本文中では科レベルのリストで種のリストは巻末資料に、とある。巻末資料とはその大量の写真のことだ。で、クモ、クモ、と探すとあるじゃんね。あれ?でもこれ造網性の種が全然載ってないんですけど。あれ?昆虫も、チョウとかトンボとかゼロ?んなはずないやん。って、ああそうかこれは土壌動物に含まれてるのか。じゃあ昆虫類のリストがどこか他に、どこか他に、、、どこにもないよ?本文中には1999種見つかったとあるのに、そのリストが資料に含まれてないじゃん!!!!!こんなん役に立たんじゃん!!!!!!!2000万もかけてこんな不備のある報告書を受領したらあかんやんけ!!!ということで、専門家的には立派な仕事をしたと自負して、できなかった編集仕事を夜中にシコシコする羽目になったのである。