海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

嗜み

今日も実験はうまくいかない。クサクサするから今日も竹林にクモ捕りに。クモを探しながら頭は別のことを考えるわけ。動物行動学者としては、人間がなにを考えているかを読み解くことも日常的にしているわけで、これってけっこう役に立つスキルなのよね。で、これを行う時の第一原理って、生き物はみなそれなりに合目的的にふるまっている、ということなんだよね。ここを捕らえ損なうと、あいつの考え方はひどい、とかいうことにすぐなっちゃって、正しい理解にいたらなくなるんだよね。じゃあ合目的的なのになんで自分と違う考え方の人がいるのよ?って話になるのよね。こちらから見てあの人のやってることは意味が通らない、みたいなケース。で、そこで第二原理が出てくるんだけど、目的の達成にはしばしば複数の手順を必要としていて、手順間にはトレードオフがあることが多いってことなのよね。で、各手順へのアプローチのしやすさとか払うべきコストの多寡とかってのは、個々で違っているから、そこで路線対立みたいなものが出てくるのよね。決して他人がアホやからではない。みたいなことを考えていたのよ。こういうこと考えてもクモ捕る効率は下がらないのよね。で、昼からお出かけ。スコットランドから一時帰国しているH賀先生に誘っていただいて文楽を見に行くのである。実は初体験なの。演目は忠臣蔵で早野勘平の話と一力茶屋の話。4時間近くもあるから退屈したらどうしようと思っていたけど、そんなことなかった。っていうか面白かった。やっぱ、どんな表現形態であっても物語を語られるのはオレ好きなんだな。そのあと、道頓堀でH賀先生と飲んで、インバウンドで溢れ返る心斎橋をブラブラしてから帰ってきた。誘いに乗ると人生拡がるからいいなあ、と思いました。