「しぶとい十人の本屋」を読んだ。荻窪の書店「Title」の店主が全国の小さな本屋を巡って聞いた話をまとめた本。我が町の宝であるところのはせしょも取り上げられているということで、発売と同時にそのはせしょで買った本だ。で、昨日、割れた歯の衝撃ゆえになんかネットとか刺激が強すぎて見る気にならなくて、読み始めたら一気に最後まで行った。今や人は本を読まなくなり、読む人は読む人でAmazonに頼り切りなわけで、町の本屋はずっと厳しい状況におかれている。なので私なんかもささやかながらはせしょを買い支えるのである、という意識で極力Amazonは使わないようにしている。で、考えてみれば、今や役に立たない基礎科学や人文学に従事する大学教員だって、ずっと厳しい状況におかれている事は同じであって、そういう本屋さんから出てくる言葉の数々というのは、こちらにもきっちり染み込んでくるのよね。効率じゃないし、機械じゃないし、貨幣でもない。多分そういうところは共通するところがあるんじゃないかな、と思ってしみじみ読んだ。なんかあんまりしみじみ来たので来月初めに誠光社で開かれるトークイベントにも申し込んじゃったよ。
さて、今日は例のオープンキャンパスで入試のガイダンスをする日である。イヤだ。イヤなので、14時の出番の前に今宮神社で開かれているハレトケ市でミシマ社の皆さんが本屋を出しているというので、朝にそちらに出かけてみる。すると皆さんがおられて、なんかにぎやか。ハレトケ市には一度来てみたいと思っていたけど、日曜にわざわざ京都の北のほうまで行くのもおっくうでこれまで来れてなかったのだ。なので、オープンキャンパスを奇貨としたわけだな。って言うかせっかくの日曜日に気の重い仕事はしたくないわけで、でもこうしてその前に楽しい事があれば、これが今日のメインであると自分をだますことができるというものだ。ということでしばしお喋りしていると、お客さんが来て私の本を買ってくださるじゃないですか。大変嬉しいのでサインなどする。もうこれでオレ、大学まで行ける気がする。ということで、みなさんに感謝しながら大学へ。今宮神社からだと206で女坂の下までこれる。真っ当に大学に行こうとすると京都駅からだと劇混みのバスに乗る気はしないので歩くことになるところ、寄り道が歩く距離を短くさせてくれたわけよ。で、心を無にしてお仕事。あー、いやだいやだ。なので終わってすぐに帰って来て、少し畑仕事して心のバランスを回復。