海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ネタ切れに慈雨

今月下旬の学会の準備開始。で、ここのところサンプル数がたまってきた実験データを粗解析。えーっと、この実験はクモの網の形に餌が採れた場所がどう影響するか?って話で、餌を網の下半分につけた時と上半分につけた時とで、網の上下非対称性の変化を比較すると言う。で、通常上半分が大きな網を張るギンメッキは、下で餌がかかった後に網を張る時は上下の大きさをほぼ同じくらいにする、という順当な結果に。素晴らしい。

ところがやはり予想もしない事が出てくるもの。実はこの実験はもともとはサガオニグモでやっていたカーン実験が上手く行かなかった時のバックアップとして始めたもので、「餌をやる場所もコントロールしておこう」って思いつきで操作を加えてたのね。で、上の結果は、対照群(つまりカーンしないで餌だけコントロールして与えた群)のもの。で、ふっと「カーン群ではどうなってるんだろう?」とデータを見てみたら、こっちは餌が採れた場所とは関係なく上下の大きさがほぼ同じの網を張っていた。つまり捕食者との遭遇経験に応じてクモは網の形を変えていて、さらにその反応は餌がかかった場所への反応より優先されると解釈できるわけだ。いやしかし、形式的な解釈はこれでいいのだけど、じゃあそうする意味って何なんだ?と考えると、さっぱりわからなくって途方に暮れる夏の日だった。

わからないけど、これでまた学会発表ネタが一つ増えたぞしめしめ。