海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

もしくは子殺し

シネコンで「モンキーマン」。ウルトラ兄弟が助けに来るのかなと思った、という話。ほら私の世代だと刷り込まれちゃってるから。インドが舞台で強烈な格差が背景にあるっぽい。で、格差は腐敗を生んで、そうなると支配階級だって安穏とはしていられない。壊れやすさは階級によらないからね。そんなの誰も幸せになれないよね、という。ちなみに上の子と一緒に見たのだけど、その前に外食で晩ご飯を食べたら、全部で1万円近くかかった。レイトショーだけどTOHOシネマなので1500円もかかるの。なんというインフレ。

しりぬぐい

金曜日に間違った方法で暗号化してしまったために使えないファイルを再度ゲットするために大学に。冷房が壊れているので研究室の滞在時間は20分だ。立ったそれだけのために往復2時間と1000円以上の交通費が失われるのは大変腹立たしい。金曜日のオレをパワハラレベルに厳しく叱責してやりたい。あまりに虚しいので、帰る途中の四条河原町で、何か特別なことをしてやりたいと思い、お昼ご飯に珉珉に入ったった。ギョウザとチャーハンのセットを頼んだのだけど、隣のおっさんが食べてたキクラゲと卵の炒め物が美味そうだった。あっちにしたら良かったと激しく後悔し、10分前のオレを厳しく叱責したいと思いましたとさ。

収穫の秋

私は子供の頃からのムービーゴーア−であるのだが、仕事にしようとは思っておらず、あくまで趣味の範疇で映画と接しようと思って、研究者になって生きてきたわけだけど、いつの間にか、映画と研究とが交差することが時々あるようになってきた。ジョブズいうところのコネクティングドットである。ということで、最近はシネコンに行くのもこれみんな仕事あるねー、という立場をとることができて極めて精神衛生に良い。で、今日はまた仕事として大手を振って映画を観ることができた。なんか役得。詳細を書くことは控えるのだけど、最近はこういう見せ方があるのね、というお勉強にもなった。

今週の医療費1万円

左手の手首にぽこっと膨らみができたのに数日前に気がついて、なんだろう?と思うわけですよ。で、今週は月曜日に二ヶ月に1回のメニエルのアフタケアで耳鼻科に行き、水曜日に歯石のクリーニングで歯医者に行き、昨日は紹介状をもらいに内科に行ったので、すっかり病院への敷居が下がっており、じゃあ、と皮膚科に出かけたわけだ。ウチの町内には二軒皮膚科があって、1軒は内科も歯医者も入ってる医療コンプレックスの中にあって比較的新しくキレイなのだけど、どうも美容メインっぽい匂いがする。で、もう1軒は近所のいかにも年季の入った町医者っぽいところだ。どっちにするかというとどう見ても後者でしょう。で、行ってみると、土曜日なのに空いている。うーんみんな新しい方にいってるのかなあ。と思いながらほとんど待たずに見てもらう。と、先生、膨らみの側を触って前後に動かして「これは皮膚じゃなくってその下にできてる。皮膚を動かしても膨らみは動かないでしょ。で、ここ手首の関節でしょ。関節から液体が漏れでるガングリオンというのがあってそれだろう。ともあれ悪いものである可能性はないから様子見てればよい。こういうところのガングリオンは勝手に収まることもあるし。そういうことでぽこっとなってるけど触らないように。触ると逆に大きくなることもあるから」と言われる。なんという理路整然。聞いてて大変気持ちが良かった。お医者さん選びはキレイかどうかじゃなく先生の技量である。

忘れかけてた愛が甦る

ええオッサンなので睡眠時無呼吸症候群とか持ってて、対策としてマウスピースを作ったのが二年前だ。ところがこないだの奥歯折れの結果ジョーズと化したらマウスピースがハマらなくなった。そりゃきっちり型取りして作った繊細なブツだから、元の方が形状が変わればハマらなくなるのは当然である。で、被せ物し終わってから時も過ぎ、もうこれで調整することもなく、つまりは歯の方が変形することもないだろうということで、新しくマウスピースを作ってもらおうと思い立ったわけだ。で、作ってもらった大学病院に電話したらば、紹介状がいる、という。で、その大学病院には、まず近所のかかりつけのお医者さんから、隣町の大病院に紹介状持って行ってそこで検査入院1泊した上でたどりついたわけで、紹介状は大病院からもらえと言われる。えー?そしたら隣町まで行かなきゃダメじゃんイヤだなあ、と思って、かかりつけのお医者さんじゃダメですか?と聞いたら、ちゃんと診断名を書いてくれるのなら、というので、じゃあそれで、と、そちらに電話。今すごく混んでるからすぐに来て診察券だけ出してまた1時間くらいしてから来て欲しい、と言われるのでとりあえずゴー。置いて帰って再度出撃し、20分ほど待って診察室へ。事情を話すと「そりゃあ、二年も経ったらそういうこともあるわなあ。わかった。書いとくわ」と爆笑される。笑ってもらえて本望な私としては「そうですよねえ。ありますよねえ」と言ってうれしくなって待ち合いに。大学病院の予約もしてもらうのだが、これがいつまで待っても呼び出されない。結局30分ほど待って、「すごく混んでて来月になります」と言われる。まあしかたない。既に二ヶ月以上何もつけずに寝ていて、息が止まってるのかどうかは自分ではよくわからないのだけど、確かに眠りが悪い気がするので本当は早く作って欲しいのだけど、しかたないわね。で、この調子だと年内に手に入らないかもなあ、と思うわけ。一刻を争うものじゃないから良いけど、イギリスじゃあるまいしなあ。で、すべてが終わったら12時を回っている。ああ、これだけのことで午前中を失ってしまった。で、そのまま大学に向かう。研究室は灼熱なので仕事ができないのだけど、水曜日に帰る時に先月の学会参加費の領収書を事務に出すのを忘れて帰って、国際学会で9万円弱もするので、もうとっとと出しておきたかったことと、研究室のパソコンの中にしかないデータを使いたくてそれを取りに行きたかったからである。なのでデンついて帰るんだけど、フッと思いついてデータを運ぶのに暗号化とかしてみたら、ウチに帰って復号しようとしたらエラーでできないでやんの。で、なんでやねん?!と調べてみたらば、私の行った暗号化はエラーを起こす方法である、と書いてある。えー?方法をググってそれに従ってやってるのに意味がわからん。つうか、もうネット検索は役に立たない時代が来ているのか?短いパラダイスだったな。ともあれ、ということで大学と絡むとストレスが増えるばっかりである。

百一態

昨日出した学会出張の報告のうち科研費で行った1つが差し戻された。2日ある日程のうち、私は二日目に発表したわけだが、じゃあ1日目はというと他の人の発表を聞いてたわけだな。当たり前の学会参加のありようである。で、そのように報告に書いたら、参加した成果が書かれていないので、差し戻しだという。????と思うわけで、「意味がわからないのですが」とメールしたらば「自分の発表の内容を簡単に書いたり、他の人の発表から得た情報が科研費の課題に与えた影響を書くのだ」と言われて、さらに????となる。報告にはちゃんと発表のタイトルを書いていて、それが内容を簡単に示したものであるし、他の人の発表って科研の研究とは基本違うものばかりだから影響って言われても、そんなのないので、やっぱり成果の意味がわからないよ、って返事した。いや意味がわからない。もちろん他の人の発表聞いて、目下の研究に役に立つことはあるけど、そんなの聞いてみないとわからないわけで、ないことだってよくあるわけだ。で、なかったときにそれをさもあったかのように書くのはウソだな。ウソは書いちゃいけないだろう。それに、なかったからといってそれはあくまで結果の話だ。学会に参加して発表聞くのは、ひょっとしたら役に立つ話をゲットできるかもしれない、というそういう機会を作るためであって、であれば「話聞いた」で十分ではないか。これを成果でないと言われるのであれば、科研費で学会参加したら、自分の発表だけしてすぐ帰ってこなければならなくなるわけで、そうなったら聴衆が減って学会が崩壊すると思うのだけど、そういうことは何も考えてないんじゃないかしら。

拷問百態

朝から歯医者。割れた歯を診てもらった時に、歯石がかなりたまっていて、歯ぐきをめくって掃除するべきといわれ、痛いので麻酔をかけて、6回にわたってやるといわれたその1回目。まあ、麻酔は割れた歯の治療時にもやられて痛くなかったので怖くないやと思っていて、確かに痛くなかったのだけど、打ち終えた歯医者さんが歯科衛生士さんに「奥のほう、ちゃんと入ってない可能性があるので、効いてなかったらまた打ちますから」といって去っていって、すくみ上がる私であるよ。で、最初はそれほどでもなかったけど、後半だんだん痛くなってきて、これはより奥を掃除しようとしているからかそれとも麻酔の効果が切れてきてるのか。っていうか、そもそも1時間もかかっていて、こんなに長い時間口を開けてるだけで大変じゃわい、と終わったらクタクタになる。さらに「かなりグリグリやって歯ぐきも傷ついてるので抗生物質出すので飲んでおいてくださいね」といわれて薬局行くと長蛇の列。30分くらいで終わると思っていたところが2時間近くかかったよ。午後から教授会があるのだけど、ギリギリのスケジュールにしてなくて良かった。で、大学に。エアコンが壊れているので長居はできないが、せっかく来たので先週の学会二連荘の報告を作って、後期の授業準備のために去年使った講義動画の文字起こしの作業を仕掛ける。去年までは、全部を視聴して内容の確認と改善点の洗い出しをしていたところ、文字起こしツール導入でかなり時間を短縮できるようになったのである。素晴らしい。で、仕掛けてから教授会。最近は教授会に出るたびに憂いが深まるよ。終わって、研究室に戻ると、仕掛けていた文字起こしの結果がうまくないことに気がつく。初めて試したバッチ処理の要領がよくわかってなかった。ということでやり直し。しかし暑い。窓を開けて扇風機を回しているのだけど、南向きのこの部屋だと、窓を開けると日光で熱せられた建物から上がる熱気が外から入ってきてむしろ暑いのかもしれない。ということで、早々に退出。夕方から伸ばし博士でちょうど良いのである。で、今日は首から触ってもらう。そのあと、体の側面を下にして寝て、足を真横に開いてみろ、と言われるのでやってみたら、その時にお尻が後ろに下がる、と指摘され、そこを改善するためにアクロバティックなポーズを取らされ引っ張られる。グギギ。ほへー。で、ヨメサンに今夜は外で食べてこいと言われたので、そのまま駅近くで外食。というのもこれからレイトショーでシネコンに行くのでタイトだからだな。「ソウルの春」。上がアホやと、という話。事実かどうかはわからないけど、この映画で描かれているように、クーデター鎮圧のチャンスがあって、抑えきることができていれば「タクシー運転手」も「1987、ある闘いの真実」にもならなかったのだなあ、と思いながら見ていた。いやしかし、この三本がすべて全斗煥が絡む話だってのも、ある意味すごい。上がアホでさえなければ。歴史ってなんなんだ。帰ってきて、その後のことを調べ、鎮圧しようとする側の主要人物たちはみなその後殺されたりはしてないことを知って、それもまた少し感心する(作中では拷問されているシーンはあった)。独裁だけど、やり切れないところがあるのかしらねあの国は。大統領辞めたら訴追されることが多いみたいで、あれは前から不思議に思っているのだけど、それもやり切れない事の表れなのかね。