海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

嗜み

今日も実験はうまくいかない。クサクサするから今日も竹林にクモ捕りに。クモを探しながら頭は別のことを考えるわけ。動物行動学者としては、人間がなにを考えているかを読み解くことも日常的にしているわけで、これってけっこう役に立つスキルなのよね。で、これを行う時の第一原理って、生き物はみなそれなりに合目的的にふるまっている、ということなんだよね。ここを捕らえ損なうと、あいつの考え方はひどい、とかいうことにすぐなっちゃって、正しい理解にいたらなくなるんだよね。じゃあ合目的的なのになんで自分と違う考え方の人がいるのよ?って話になるのよね。こちらから見てあの人のやってることは意味が通らない、みたいなケース。で、そこで第二原理が出てくるんだけど、目的の達成にはしばしば複数の手順を必要としていて、手順間にはトレードオフがあることが多いってことなのよね。で、各手順へのアプローチのしやすさとか払うべきコストの多寡とかってのは、個々で違っているから、そこで路線対立みたいなものが出てくるのよね。決して他人がアホやからではない。みたいなことを考えていたのよ。こういうこと考えてもクモ捕る効率は下がらないのよね。で、昼からお出かけ。スコットランドから一時帰国しているH賀先生に誘っていただいて文楽を見に行くのである。実は初体験なの。演目は忠臣蔵で早野勘平の話と一力茶屋の話。4時間近くもあるから退屈したらどうしようと思っていたけど、そんなことなかった。っていうか面白かった。やっぱ、どんな表現形態であっても物語を語られるのはオレ好きなんだな。そのあと、道頓堀でH賀先生と飲んで、インバウンドで溢れ返る心斎橋をブラブラしてから帰ってきた。誘いに乗ると人生拡がるからいいなあ、と思いました。

動く標的

ウェブマガ用に小さな原稿を書く。さらさら。それはともかく、夏のギンメッキ実験がまったく進まない。ギンメッキに三種の操作をする。そのうち1つの操作では、2つある結果のうち1つが出た時だけその個体を次の操作に進める、という手順でやっていて、望ましい結果が出る確率は経験的に5割である、ということだ。ところが、ここまで7回試みて一度も望ましい結果が出ない。もうあかんでこれ。で、ここでスタックしているので他の二種の操作はサクサクできるはずなのに、進まないのだ。で、これは三種1セットにしているせいで、別にそんな縛りをかける必要はないので、朝降っていた雨が止んでから気分転換のために2セット目のもう一つの操作をしてみたら、簡単に進んだ。ちょっとだけやる気が出てきた。ので、できた個体を長崎に送り、雨上がりの竹林でクモ捕り。帰ってきて、ヨメサンに買い物をいいつけられる。

「ええっと、ニンジンとキャベツと、鶏もも肉と、卵と牛乳買ってきて」

「おいちょっとそんなにたくさん急にいわれても覚えられん。もう1回言って」

「だから、ニンジンとキャベツと、鶏もも肉でしょ、片栗粉に卵と牛乳」

「ちょっと待たんかい。増えとるやないか」

「え?そう?」

「片栗粉なんて初めて聞いたぞ。あかん、そんなんされたら覚えられん。お買い物メモにしてちょうだい」

「えー、めんどくさいなあ。じゃあ、ニンジンでしょ、キャベツでしょ、ブロッコリーでしょ、ショウガでしょ、鶏もも肉に片栗粉に卵と牛乳。これでよし、っと」

ハゲ

ウソは必ずバレるものである。私なんかウソついてバレるのが怖くて怖くて仕方がないので、それでウソはつかないようになっているのだが、世の中にはバレるのを一向に怖がらない人がいる。こういう人間に物事を左右される位置に着かれるのはまわりにとって不幸なので、たのむからどっか行ってほしい、ということを夕方切々と訴える。もちろん相手が受けるわけはないのだが、私が願っていることを聞いてほしい人は別にいるのだよ。まあそれはともかくとして、はっきりいってウソをついてノウノウとしていたり、自分の欲得のために他人を踏みにじって恬として恥じないような人間は、ロクな死に方はしないものであろう。ということで、終わってから、昨日も呼び出されたお店に出かけて、もしオレが王様だったら、というお気に入りの妄想について話をすると予想以上に大受けして楽しかった。まあ、ウソつきにはこんな楽しい瞬間は一生訪れないからかわいそうなものである。

大赤字

昨日今日とヨメサンは東京でお勉強。自己研さんのためのセミナーに自主的に参加するのである。で、ウチの町には政務活動費とかないので、参加費と旅費合わせて10万円は完全自腹。一方政務活動費のある自治体の議員とかの使い切りをさせて稼ごうというセミナーもあるらしい。そういうのに参加する議員も勉強する気ないので適当にふけて観光したりするらしい。なんか彼我の違いにクラクラするわ。で、オレなんてそれで今日は5時半起きで上の子のお弁当づくりだ。いや、子どもの世話するだけなら後1時間寝てられるんだけど、自分が出かける前に交尾実験もしようと思うと、どうにもこうにもこれしかできないわけ。そしたら起きたら雨降っててできないでやんの。むかつくー。で、夜、今日は子どもと三人で外食って最初言ってたところ、思ったより早く帰ってこれたし、昨日のおかずがまだだいぶ残ってたこともあったのでウチで食べることに。そうすると某氏から呼び出されて、嫁さんを迎えに行ってから21時半ごろから1時間ほど明日のための会議。ビール1杯だけ飲む。

光源氏

引き続き今日も交尾実験に失敗する。交尾はするけれども確率的に一定失敗する、その失敗が続いているのである。今日は2連敗。これで6連敗なので、勝率5割だとすると有意に負けが続いたことになる。これは何かおかしい。数字は人を裏切らないのだ。何か問題があるに違いない。で、失敗は交尾器が破壊されてしまうことで起るので、何か交尾器が破壊されやすい要因があるのではないか?と考える。可能性としては、今回失敗が続いた6個体は、皆最終脱皮から3日後に交尾に進んでいる。なぜそうなるかというと、成体になってから、成熟するまで最低3日必要だからだ。だけど、これまではロジスティックを適当にやってたせいで、交尾できるのはもう少し日にちが経ってからであることが多かったところ、今期は気合いが入っているので最短の日時でこれまで交尾させていたのだな。ひょっとして、まだ脱皮から時間が経ってないので交尾器が固まりきってなくて、壊れやすいとかある?そう思いつくとそうに違いないとしか考えられなくなるので、じゃあもう何日か待ってから試してみようと思いつくわけ。サボり心の現れとも言う。ともかくうまく行かないのでしょんぼりして大学へ。昨日作っていた事務仕事にかかる。ありていにいってネ申エクセル案件である。いいですか、ネ申エクセル書類に入力するんじゃなくって、ネ申エクセル書類を作る案件なのよ。齢50を越えて、今さらこんな仕事させられるとは思ってなかったよ。つうことで、小さくしたセルを横に何十も並べて方眼紙状態にして、罫線を引いたり解除したり試行錯誤を繰り返すわけ。あー、アホみたいアホみたい。途中2コマ授業やって、19時半までかかるが、なんとか退治できたと思う。締め切りまでまだ2日ある。良かった。

内助の功

気がついたら三連休じゃないか。どうせ月曜日は授業ないから、三連休だろうがそうでなかろうが関係ないけどな。ということで朝から実験。どんどん交尾してくれるけど、運が悪くて成果は0。元からこれは交尾がうまく行った場合でも成果に結びつくのは5割しかないので、まあこういうことも考えられるのだけど、4連敗っつうのはきつい。確率1/16ではないか。しょんぼり。で、はたと気がつくわけ。オレ、次の木曜日に出さなきゃいけない大きな事務仕事の締め切り抱えてるじゃん!で、逆算したら、どう考えても今日中にある程度片づけとかないと火水木は授業があるし、ヨメサンもいなくなるので家事が負担になるので、ヤバイ。ということで30分ほどぐじぐじ悩んだけど仕方がないので休日なのに大学に行く。休日だというのがまた腹が立つじゃないか。まあ大学は今日も祝日授業なのだが。あー、ホンマはらたつ。ムッチャいや。と極めて不機嫌になっていたら、ヨメサンが明日以降の家事を軽減すべく晩ご飯のおかずとか多めに作ってくれていた。うれひい。自分がしんどいときにヨメサンに助けてもらうことって滅多に無いのでとてもうれひい。

カオナシ

ギンメッキを交尾させるときは、成体に脱皮する日のクモを採ってきて、異性と接触させないようにして交尾経験のコントロールをしているわけ。で、このクモは最終脱皮してから成熟するまで3日は必要なのね。だから、実験したい、と思っても時間がかかるので、先を読んで被験者を用意しておかなきゃいけない。ということで、今日は実験してないのだけど、将来の補充のために竹林に取りに行く。この時期の竹林といえば猖獗を極める蚊の池地獄であって、こういうときの強い味方が農作業用の虫よけスーツ、別名着る蚊帳だ。だけど、これには問題があって、頭までずっぽりメッシュで覆うのは良いのだけど、ということは、クモを探すときにメッシュ越しになること。いや見えるんだけど、なんかもやがかかったような感じもあって、クモが捕れないときとかイライラしてくる。かといって、一応頭頂部に空いている穴から首を出そうものなら、もう露出したわずかな肌をめがけて大量に蚊が襲ってくるわけ。困った。で、今日はオレ的にプチイノベーション。頭頂部の穴から頭部全部出すんじゃなくって、穴の部分を目の前に持っていって、視界だけメッシュなしにするのである。えへんこれで蚊もほとんど襲ってこないぞ。人には見られたくない姿だがな!