海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ミギーの戦い方

私がやっている生態学や行動学などのマクロ生物学は基礎科学、いわゆる「役に立たない」学問である。そのうえ長寿命の生物を相手にしていたりするとちょっとした研究成果を出すだけでも長い長い時間がかかったりして、昨今のインスタントに役に立つ研究が求められるご時世では肩身が狭いのである。


で、中にはそういう状態を、学問分野として「遅れている」と考える人がいて、流行のミクロ系生物学の流儀や雰囲気をマクロ系の学会に導入しようと躍起になっている。やれシンポジウム主義だやれ国際化だと。しかし、私は思うのだな。地力に勝る相手に真っ向から勝負を挑むなんて馬鹿げているよ。どうやったってミクロ系生物学の方が「役に立つ」ことに結びつきやすいのだから、同じ土俵に乗ったら必ず敗れる。


弱者には弱者なりの闘い方とかあるのだ。一番良いのは向こうが寄って立つゲームのルールを壊してしまう事だ。国際化?こちらは多様性を旨とするマクロ生物学でござい、と言えば良い。二つ目には外にシンパをたくさん作る事だ。「遅れている」ということは逆に言うと、学問の外との距離が近いと言う事だから、それを利用しない手は無い。弱点を最大の武器に転換するのだよ。


こういうのって、これまで学会の中で強者でいた人たちにはわからんのだろうか。