海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

危ない大学・消える大学

世の中は大学冬の時代で、そんな業界に職を得ている私としては先行きが気になる。というわけで、「04年版危ない大学・消える大学」(ISBN4753922294)と言う本を入手してみた。


私は自虐的な人間なので、勤めている大学がいったいどんなひどい評価をされているやら、とワクワク楽しみにページをめくったのだけど、単に代ゼミの偏差値でナンボからナンボまでは○ランク、と切ってるだけでたいそうがっかりした。こんなものに1500円も払ったなんてダマされた気分。もうちょっと個々の大学の内情に切り込んだ分析が見られるかと期待していたのだが。


定員割れ大学のリストって言うのも、どこかの雑誌が以前にすっぱ抜いたものをそのまま転載していただけで目新しくないし、一流企業役員数の順位も卒業者数の違いを勘案していないのでは全く意味を成さない(この点については最後に言いわけにもならない言いわけがついていて脱力する)し、そもそも役員数と偏差値の高さは学生の能力を共通因子とする偽相関じゃないか。他にも非論理的な論の立て方が目立つ。


まあ、そんな色々な欠陥に目をつぶったとしても、その結論が「少しでも偏差値の高い大学を目指せ」というのでは、またまたがっかり。そんなこと誰だってわかってるわけで、受験生の立場に立てば、自分の持ってる能力(つまりは偏差値)の範囲内で最もお得な大学はどれかを示してほしいのですよ。それでこそ役に立つ格付けってもんでしょう。