海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ぶらぶらばあさん

ぶらぶらばあさん (おひさまのほん)

ぶらぶらばあさん (おひさまのほん)

藤野町西村繁男さんから直々に買った絵本の一つが「ぶらぶらばあさんーやまからうみへ」。これがもう頭クラクラしちゃうユニークな絵本であるのだが、実は続編で、シリーズ一作目の「ぶらぶらばあさん」というのもあるのである。しかしながら、これが絶版であって買う事あたわず、やっとヨメサンが昨日図書館で仕入れてきたので、子供とワクワクしながら開いてみる。一気呵成に読んでやると、上の子小さくため息。よっぽど気を詰めて聞いていたらしい。

この「ぶらぶらばあさん」だがヘチマの神様らしく、上半身裸でヘチマ状の垂乳をぶらぶらさせている。絵柄も西村繁男さんだから、大変にインパクトがあってうっかりするとトラウマ絵本になるかも。で、バアサンの魔法で人間にしてもらったお供のフンコロガシのフン太郎と、旅をしながらキテレツな人々と出会っていくのだが、これが、コンクリートで護岸された海岸を歩いていたせいで魚の目になったマングローブとか(気根の足がたくさんある!)、朝市にバアサンが出した竹細工を遠巻きに眺める子供たちに「わしはテレビではない。さわれ!」と説教するところとか、自分がウサギ好きだから子供の耳を引っ張って「ウチの子はがんばればウサギになれると思うの」と言うカンガルーのお母さんとか、社会批評がたくさん入っていて全く子供向けらしからぬのである。

さらに「うんこ」と叫んで街を走り抜ける美少女に「おおごえうんこちゃん」とあだ名を付け、フン太郎に「いいか。人はな、誰でも一度だけうんこといいたくなるときがくるものじゃ」と説くところなんかサイコーである。他にもバアサンは色々説教しているのだが、それが一々含蓄があって、数多あるおとなしくお上品な(去勢されてしまっている)絵本なんかより、ずっとこちらの方が面白くってためになるぞ!

いや、上で子供向けらしからぬと書いたけど、こういうものこそ子供が読むべきなんだと思う。なぜこれが絶版なんだ?!