海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

スピーカーでカーン

サガオニグモカーン実験というのは音叉をカーンと鳴らして、その音を捕食者の接近とクモに勘違いさせ反応を見る実験である。で、これをやっているときに音叉を使うのじゃなくて、Macに繋いだスピーカーから音を聞かせられたら良いのになあと思っていた。そうすれば音量を制御できるので、何かと便利と言うわけだ。しかしやってみたら、残念ながらサガオニグモはスピーカーの音に反応してくれなかった。音叉には反応するのに、音源が面的に拡がっているのがダメなのかなあと思っていたわけだ。ちなみにゴミグモも反応しないが、こいつは音叉にも反応しない肝の据わった種だ。

で、昨日ふとギンメッキゴミグモにスピーカー音を浴びせてみたら、見事に網を揺らして対捕食者行動を示してくれた。わーいこいつを使えば色々遊べるぞう。ギンメッキはキャンパスの中にわんさかいるので採集も楽だし。ということで、まずは、周波数を色々変えてみた。すると180Hzくらいまでは反応が無く、それより高い音で対捕食者行動が見られ始めた。文献によると、クモの捕食者たる狩りバチでこれまで調べられている種の羽ばたき周波数は100-150Hzくらいとあるが、ギンメッキのような小さなクモの捕食者はもっと小型の捕食者で、羽ばたき周波数が高目なのかもしれない。で、もっと高いところを探ってみると、400Hzあたりでの反応はさらに激しかった。これって倍音により良く反応するって事ですか?まあとにかく、これまで根拠も無く440Hzの普通の音叉を使ってカーン実験していたのだけど、結果的にそれで良かったって事だ。