海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

お父さん先生

前期の講義も終了したので、今日は昼過ぎまでお休みにして、幼稚園で「お父さん先生」。保護者の保育参加だ。で、子供が7-8人ずつの班に分かれて親が一人つき、謎の地図に従って園の外を探検する。外と言っても大学の中だから安心のはずなのだけど、ウチの幼稚園は教育学部付属であるからして、現在バリバリの、集団行動をつつがなくこなすよりも個人のキャラクターを伸び伸び育むことを重視する方針で運営されていて、つまり班毎にまとまって行動なんてできません!ピューッて先に走って行く子、全然前に進まない子とかいて大変。

で、地図には?マークと□○○○○○と書いてあるところがあって、どうやら地図のその場所にあるものを見つけて、6文字のその名前を考え、□に入る文字が謎の答えになると言う趣向。しかし、そんな事一ミリも知らされないままに探検に出て、その場所をすっ飛ばして先に進もうとして子供に抵抗され大混乱に陥るウチの班。「探検なんてつまんないからこなけりゃよかったのに」とか言われる始末。

見かねて先生がやってきて「答えは体育館の、た、ですから」とカンニングさせてくれる。じゃあとばかりに経路を逆行して体育館の前まで戻り「謎はなんだろうねえ?」と言うと、そこら中の地面を探し回る子供ら。そりゃあ、目の前にそびえる建物が答えだなんて思わんわなあ。謎は隠されているものと決まっている。しかしこれではいつまでも前に進めないわけで、「ひょっとしてこの建物じゃなーい?」と誘導してみるも「違うよ!」と断言されて立ち往生。どないせいっちゅうねん!

呆然としていると、またもや先生の助け船。先生の言う事ならちゃんと聞くのは感心である。そうしてやっと建物が謎の答えだと言う相互了解は形成された。しかしだ、「この建物の名前は何だろうねえ?」って言ったって、幼稚園児が体育館を知っているとは限らないのである。「わかんなーい」。。。どないせいっちゅうねん!

仕方がないので、その辺を歩いている学生さんに聞いてみようということになった。これも教育的効果を狙っての事なら、なかなか良い仕組みかもしれない。で、ピューッと学生に駆け寄っていく子供たち「すみませーん、この建物は何ですか?」「え?え?これですか?これは、えーっと、大体育館」。それじゃあ、答えが「だ」になっちゃう!!!だめーーーー。と言う事で、先生と一緒になんとか「体育館」と答えてもらうよう誘導して、やっと子供たちも満足。なんとか帰ってこれました。

なんでも計画して段取りよく物事が進むことを至上の喜びとするダンドラーな私である。探検行のあまりのカオスぶりに放心しているうちに、今度はプールの時間だ。別に入らなくても良かったのだけど、ウチの子が一緒に入りたそうだったし、先生も「今日は暑いから気持ち良いですよ」と促すので入る事に。最初は、小人国のガリバーよろしく、子供たちに両手両足を持たれてぷかぷか浮かんで引き回されると言う遊びをして「オオこれは極楽じゃわい」と思っていたら、そのうち水中から子供ロケット発射遊びになって、水中と言っても幼稚園児向けだから、膝の上くらいまでしか水がないところを頭の上まで持ち上げては振り回すのである。そりゃあやられる方は面白かろう。一人やりはじめると、長蛇の列が出来上がり、終わった子もまた後ろにならぶ。40過ぎた中年男性の背筋には酷と言える。唯一体を休められるのが、悪ガキが列に横入りしてケンカになった時で、これ幸いと「ほらー、いったいなにがあったの?」と仲裁する。後ろにならぶ子供の目線など気にせず、子供目線にしゃがみ込んで、ゆーっくりと互いの言い分を聞くわけだ。悪ガキにも効用あり。

というわけでへバへバになって帰ってきて、研究室に。ルーチンワークをこなして、講義も終了して何となく精神的に余裕があるので、網の形と造網速度との関係を示すデータをじっくり眺めてみる。以前にグラフを書いてみたところ、概ねこちらの予想通りにキレイな関係が見られたのだけれど、一点だけとっても妙なところにデータ点があって、はてそれはどうしてだろう?と思っていたのだな。で、しばらく考えていて、理由が分かった。造網速度を決めるために必要な、網の糸量をある式を使って推定するのだけど、その網は変な形をしていて、推定からくる誤差が大きいのであった。うーん、一日の前半で活発に体を動かすと、頭の回転も良くなるよねー。