海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

かわいそうなクリオネ

2月にウチにやってきたクリオネはまだ冷蔵庫の中で飼われている。クリオネの飼育と言っても餌をやる事はできないので、普通半年も持てば良い方なところ、ウチでは随分長生きしている。餌はやれなくても水を替えてやるのはクリオネのためになるわけで、伊豆の方の海水を取り寄せて使っていたのだけれども、これが20リットル単位で売っている。飼育後半年くらいしてからは、いつ死ぬとも知れぬクリオネのために20リットルも買うのはどうかとずっと水替えができずにいた。ごめんねクリオネ

でヨメサンの実家は海が近い。ここは海水をゲットするチャンスだ!とヨメサンが主張するので言われるがままペットボトルとひしゃくを持ってついていった。車で30分ほど走って「ここよ」とヨメサンが言うのを見ると、どどーんと雄大な砂浜が拡がるのである。ううむ流石は太平洋、と感心している場合ではない。岩場とかないのにどうやってひしゃくで水を掬うのでしょう?と誰もいない遠州灘を前に呆然とする二人。しかし不慣れな私は良いとして、地元民のヨメサンまで呆然としているのはどうよ。

と言っていても仕方がない。がんばっているクリオネのため、右手にペットボトル左手にひしゃくを持って波の寄せ返しに立ち向かうヨメサン。タイミングを合わせて波にひしゃくを差し出してみると、20mlくらいは掬える事がわかった。50回もやれば1リットルになるじゃないか。小さな事からコツコツと。

とはいえ、ひしゃくが一本しかないゆえ時々来る予想外の大波に「キャー」とか言っているヨメサンを見ているしかない私は退屈だ(ウソ。実際はヨメサンを見ているうちに笑いが止らなくなって困った)。なんかもうちょっと効率的な方法はないかと考えてピンと来た。汀線少し上に穴を掘って大波が来るのを待ち、たまった水を掬えばいいじゃないか!やってみたら一撃であった。人間何事も工夫である。

と言う事で海水を持って東京に帰ってきた。ETC割引のために0時10分に東名を降り、ウチに着いたのは一時前。クリオネを見るとなんだか弱っている。遅かりし由良之助かと思ったり世の中こんな風にできているものだと思ったり、今日は遅いのでとりあえず明日水替えする事にして床につく。