海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

日進月歩

ここのところ調子よくアクセプトをもらっている当方であるが、ここに来てやっと、2003年に完成していたにも関わらず公表順序の都合でずっと投稿できなかった原稿を投げれる条件が整った。これは東アジアに普通にいるあるクモの網の形をある視点から調べてみたらとっても変わっていることがわかった、と言うだけの話なので、その視点に気づいてしまえば他の人でもすぐ論文が書けてしまうという、ある意味恐ろしいネタだったりする。幸いなのは、このような習性を持っているクモは研究者の多い欧米にはおそらくいなくって、そして国内では私は既に何度か学会発表をしているので、日本人が後からこのネタを襲う心配はしないですむことだ。

ところが、台湾の人が、このクモの網の構造うんぬんというタイトルの論文を公表したことに数日前に気がついた。しまった!台湾は盲点だ!慌ててアブストラクトを読んだ限りでは、どうも視点が違うようなのだけれども、偶然私が報告しようと思っていることを調べていないとも限らない。まあこれは大変!6年間の辛抱が水の泡?!

とにかくこれはその論文を読んでみなくちゃならない。しかし、その論文はいまだonline firstで出ているだけで、ということは図書館経由でコピーを入手できないかもしれない。こ、これは数千円払ってPDFをダウンロードしなくちゃならないのか。研究費からとは言え、こんなぼったくり価格に従うのはイヤだなあ、と思っていたら、今日、その台湾の人が自分のレポジトリにPDFをアップしてくれているのを発見。ありがたい。本当にありがたいよ。と言うことで読んでみて、ネタ被りの心配は杞憂だったことが判った。それにしても、ウチの分野で「抜かれたかも」とハラハラする経験ができるとは思わなかったよ。