海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

英雄都市幻視

WORLD WAR Z」を読んだ。いや、映画が面白かったから原作に手を出したのではなく、原作が面白そうだったのでまずそちらを買って、先日映画を見るまでは我慢をしていたところ、やっと満を持して読んだわけだな。で、映画もそこそこ面白かったけれども、原作はもっと面白かったので、この順番でよかったと言える。逆に原作を読んでから映画を見たら、がっかりしたろうな。っていうか、この原作からあの映画を作るんだから、ハリウッドって何考えてるんだか判らなくなるよ。ということで、ブラピ出ません。家族愛ありません。代わりにあるのが、ゾンビ戦争を生き抜いた人の証言録。小さなドラマの断片を積み重ねてスケールの大きな話を描くと言う。どうでもいいけど、こういう形式の話がそのままでは映画になりにくいってのは、二つのメディアの特性の違いを物語っているようで、ちょっと面白い。映画は感覚に直接訴えるメディアなので、感覚が捕えるには大き過ぎる話には不向きだ、と言う事なのかもしれない。

どうでもいいが、私はメディア体験からすぐに影響を受けるミーハーな人なので、西部劇を見た直後は、いつでも腰に手を持っていけるよう肩をいからせて歩くし、カンフー映画の後には少し腰を落し気味の姿勢をとったりする。で、今回の本は昨日から読みはじめていて、神戸からの帰りの電車でも貪るように読んでいたのだけど、日が変わる直前に最寄り駅について、のどが渇いたので駅前のコンビニに寄ったのだけれど、店の前に数人の若いのがたむろしているのを見て、こいつらの脳天かち割って回らなきゃいけないんじゃないかとつい想像してしまった私は罰当たり。いや、でもゾンビの恐ろしさってのは、仮にも人の形をしているものに、我々がコミュニケーションを取るための手段が完全に失われている事から来るんだと思うよ。その怖さって、怪獣に食われるのとまたちょっと違うじゃない?

WORLD WAR Z〈上〉 (文春文庫)

WORLD WAR Z〈上〉 (文春文庫)

WORLD WAR Z〈下〉 (文春文庫)

WORLD WAR Z〈下〉 (文春文庫)