海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

落ち穂拾い:情報戦

選挙期間中の話。事務所であるところのウチの自宅はスーパーの前にある。これにはもう計り知れないメリットがあるわけで、日頃から玄関先掃除してるだけで道行く人の記憶に残るし、応援の人が家の前に集まってるだけで目立つ。事務所の所在を示す看板を立てれば見て行ってくれる人も多い。そして演説したいと思ったら5秒で実現。部屋着で辻立ちだ。なんなら家の中からメガホン突き出すのでもいいぞ。そんなわけで、格好の演説スポットであるウチの前なので、他所の候補者さんもやってくる。ので、私としては窓に面して置いてある仕事用机から、他所の演説とそれに対する有権者の反応をじっくり観察させてもらうという役得に預かれるわけだ。演説の内容についてはヨメサンに報告して、以後の演説内容に反映させてもらうわけね。こういうのは他の陣営もやっていて、ヨメサン曰く「なんか私の話を熱心に聴いてる若い人がいたんだけど、その人が維新の手伝いしてたところを後から見たのよね」ということである。そういうことを聞いても、こちらはへーとしか思わないのだけど、選挙に関わる人には殺気立ってる人も多くて、私が二階からニヤニヤ眺めていると、某陣営の人から睨みつけられたことが一度だけあったな。文句あるならウチの前でやらなきゃいいのに。で、二階から町行く人の反応を継続的に観察できるのはなかなか良いものであって、ウチは町長選では若い候補者の側だったのでその立て看をヨメサンのと並べて家の前に置いてたんだけど、選挙期間の最後の2日とか、道行く人の多くがその看板に目をやるのを目撃してたわけ。で、これはひょっとして勝ち目あるのか?とか思ってたら勝っちゃったわけで、そうかこういうのが選挙戦の手応えってやつだな、と感じたりした。巨大な組織票を持つ相手候補なんて、演説してても、みんな無視して通ってたものね。町議候補では、下馬評的に当選は危ういだろうと言われてた人が、投票日の直前にネットで別の悪評が拡散して、普通に考えたらこりゃ無理だになるのだけど、ウチの前ではなんか大勢と握手していて、あれ?意外と受けてるなと思ったら、通っちゃったということもあった。ちなみにこの候補者さん、1回目に見たときはもう演説が惨憺たるものだったのだけど、2回目は演説は応援の人に任せてずっと握手ばっかりしていた。ちゃんと反応見て戦術変えられるのは強いんだな。そんなウチの前なので、選挙期間が終わる土曜日の20時直前、いわゆる最後の訴えの場所になったのである。最後は演説じゃなくて挨拶で、私も横で幟もってろ、と駆り出されたのだが、そうしていると、おっさんが話しかけてきて、これは丁寧に対処しなきゃと話していたら、なんか雰囲気が違う。なんか絡んでくるんだよね。こちらが政策とか説明しても聞いてくれないのでコミュニケーションが成立しないし。ので、ヨメサンが急遽方針を変えて「今から駅に行きますのでー」と逃げ出したのである。で、まあ、ああやって絡まれるのは女性候補にはあるんだよねー、とかの話になったのだけど、翌日の開票現場にそのおっさんがいたので、何気に側に立ってそのおっさんの会話を聞いてみると、どうもすぐ近くに事務所を構える他所の陣営の支持者らしい。ということはあれは、演説の妨害だったのか。その人独自の行動かもしれんが、そうかそういうこともするんだなあ、と感心したりする。その候補者の当落については触れないでおこう(続く)