海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

デ・ニーロじゃない方

昼間に交換用のクモを取りに行ってまったりしていると、ふっと「タクシー運転手 約束は海を越えて」を見たくなったので、夕方から京都のシネコンへ。近所の郊外型シネコンではどこでもやってなかったのよね。つうことで電車に乗るべく駅で待っているのだが、するとごつんと鈍い音。はてと顔を上げると向こうの線路に人が落ちてるじゃん!!やばい!!!向こうのホームでは人が集まってくるけどオロオロしている感じ。こっちの線路には乗ろうと思っていた電車が入ってきて急ブレーキ。向こうの電車止めなきゃよ。と、私もおろおろ。駅員呼びに行こうか何か押すべき非常ボタンはないのかとか思ったら、入ってきた電車の運転手さんが連絡しているようだったので、とりあえずは大丈夫だろう、と。すると向こうのホームでは若者が線路に飛び降りる。で、倒れている人見ると頭から血を流してるじゃん。と駅員さんもやってきたので、とりあえず私にできる事はなさそうなのでこちら側から眺めていると、運転手さんと三人で倒れた人を引き上げて、見ていた人が救急車呼んでくれた様子。一安心かな、と、オイこれじゃ上映時間に遅れるじゃんよ。いつまで復旧にかかるんだろうか、とか思っていると向こうのホームに電車入ってくるじゃん。マジか。こっちの電車もすぐに何事もなかったかのようにお客乗り降りさせて、たったの7分遅れで出発。なんという。これJRだと30分は安全確認とかで止まるところだよ。つうことで、ちゃんと劇場に間に合ったので落ち着いて観賞。横入りはいけないんだ、という話。光州事件に巻き込まれたタクシー運転手さんの小市民的平和と正義感との葛藤の話。実話なのだけど、現実のタクシー運転手さんは、もっと意識的にこの件にかかわっていたそうだけど、これを巻き込まれた話に翻案したところが、今作を普遍的なものにしたと思うのよね。気付いちゃった時に、その気付いたという事実に蓋をしない勇気ってあるよね。それって一歩間違えるとベトナム帰還兵症候群だけどさ(実際そんなシーンもあった)。いや、なんていうのかな、おかしな世の中を見て見ぬふりする人の多いこのご時世、みんなの首根っこつかんで無理やりにでも見せたい作品だった。これ、たった40年ほど前の話なんだぜ。まだ関係者で生きている人たくさんいるだろうに、こんな作品が作れてしまう韓国ってすごいなあと思いました。かかっている劇場は少ないけど、万難を排して見るべき作品。