海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

よい質問だね、小林君

校舎の周りの草むらでクモの餌用にハナアブを捕っているところを学生に見つけられる。これは餌なんだと弁明すると、どれどれ食うところを見せろと。実験室に連れていって、デモンストレーションすると興味を示す。そうするとこちらも興が乗るので、「網の片側で餌を与え続けると、クモは餌の捕れる側が大きないびつな網を張る」というHerberstein女史の発見についてひとくさり。


すると学生「それは本能ですか?それともクモが考えてやっているのですか?」


そのときはとっさに「僕には君でさえ本能で動いているのか考えているのか本当には確信が持てないんだよ」とケムに巻いたのだが、「本能と考えることは対立概念なのかな?」と問い掛ければよかったのかもしれないと今思う。不可知論でごまかすことを覚えるよりは、自明の前提を揺さぶる癖をつけるほうがためになるというものだ。