海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ボタンちゃん

こないだまでウチの子と一緒に風呂に入ると乳首に吸い付かれてぞわぞわさせられていたものだが、最近は膝の上に乗せて体を洗っていると、眉をひそめて、やおらこちらの乳首をちみくりだす。やっと違いがわかったようだ。


このくらいの年ごろの子は力の加減を知らないので、けっこう痛い。ひえーっと叫んで手を放させるも、興味を持った事には何度でも飽きずにトライするのがこのくらいの年ごろの子だ。そういえば星新一の小説にもあったが、出っ張っているものをつまんだり押したくなるのは本能なのかしらん。


そういえば、その「ひとつの装置」というショートショート。ある科学者が人類のためにといって作った装置だが、出来てみるとただボタンだかレバーだかが一つあるだけで、何の役目も果たさない。仕方がないので公園に置かれているのだが、人々はついついそのボタンを押してしまう。そのうち人類は核戦争で滅びてしまい、誰もその装置に触らなくなって1000年が経つ。そうしてその装置は人類が滅亡した事を知って唯一の機能である葬送曲を奏ではじめる、という話。


この話を読んだのは小学生の頃だが(私くらいの年代の人の多くは小学生の頃に星新一の洗礼を浴びているものだと思うがどうか)、非常に印象に残っている。本当の意味で役に立つというのはどういうことか、とか、人がついつい行なってしまう行動、とか、そういうものを組み込んだシステムとか、今でも考える事の多い話だ。


今日だってお風呂で乳首をちみくられながら、また思い出したくらいなんだから