海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

夏のおもひで

八ケ岳麓の原村へ。一泊二日、夏休みの家族旅行である。いやまあしかし、考える事はどこのウチも同じであって、のっけから中央道が16キロ渋滞。比較的時間が自由になるところの我が家としては、わざわざこんな日にでかけなくてもよいのだが、今回は堅気の勤め人であるところの私の妹夫婦一家と一緒に遊ぶという事で。

で、渋滞を抜けてやっと着いたのが1時過ぎ。まずはO崎さんお勧めのステーキハウス。長蛇の列ができていたが、もうこの時間なので、きっとすぐに捌けるだろうと睨むと案の定で、少し離れた駐車場に車を止めている間に、もう席が用意される。昼間っからステーキを食らい、デザートの巨大アップルパイに舌鼓をうっているとあっという間に三時。ペンション村の中にある宿にチェックインして、近くの小さな絵本美術館というところで、ヨメサンのベスト絵本であるところの「タンゲくん」の片山健の原画展をやっているというので見に行く。当たり前だが、絵本と全く同一の絵が並んでいる。しかし原画だと、これまであまり気が付かなかった、一筆一筆のタッチがはっきりと目に入ってきて、息苦しくなるような濃密さを感じた。はてこれはなぜだろうとしばらく眺めてみて、紙のテクスチャーのせいではないかと気づいた。絵本の紙はツルツルであるのに対して、原画はもっとざらっとした紙にかかれているようで、それが筆の運びをより強調しているのではないかと。つまりなんというか、当たり前の事だが、絵は単なる情報化された模様ではないということだな。

そして、ちょっと原村の中心部を偵察に行って見る。あまり荒れた感じも無く、きれいな田舎で気に入りました。で、妹夫婦と合流して、近くの温泉に。私が上の子、ヨメサンが下の子を連れて入ったのだが、知らない人がたくさんいるとビビる上の子は、湯船に入らずにずっと端の方で見ているという。私も人込みは苦手で、気持ちはわからないでもないから、「それなら入らなくても良いよ」といって妹のダンナとその子達と一緒に極楽。露天もあったので、連れていってやはり寒空で一人待つ上の子を尻目にいい湯だな。そんなこんなしていると、妹一家はさっさと上がってしまい、服を着終えた従兄弟のSちゃんが上の子に「早く出ておいでよ」と。渡りに船と上の子は「出る出る」という。しかたないので、入り口で体を拭いて脱衣場に出ると、子供はいない。さては、ハダカのままSちゃんの後を追っかけて外へ出ていったなと思っていると、案の定外から上の子がはぐれて泣き叫ぶ声が聞こえる。ひー、と思っても当方もスッポンポンである。出て行くわけにもいかないし「そこで待ってろよー」と声を掛けても向こうには聞こえない。まあ、仕方ないので慌てて服を着ていると、妹のダンナが目を真っ赤にした上の子を連れてきてくれた。

夜、原村は星祭りだったのだけど、あいにく曇り空で残念。でも会場はビクセンがブースを出していたりしてそれなりに盛り上がっていた。

宿は狭いシングルベッドに寝相の悪い上の子と二人で、落とさないように気を使っているとほとんど眠れなくって辛かった。すべからく家族連れは和室にすべし。

タンゲくん (日本傑作絵本シリーズ)

タンゲくん (日本傑作絵本シリーズ)