海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

カメのお医者さん

ウチで飼っているカメはカメ子介という。小さい頃、そのかわいらしさにてっきりメスだと思ってカメ子と呼んでいたのだけど、しばらくしてしっぽの付け根が膨らんできたので触ってみると生殖器が飛び出てきてオスと判明。だからといってカメ子がカメ子でなくなるわけでもないので、その日から名前がカメ子介になったという。まあ、元服したわけだな。

そんなカメ子介だが、最近魚肉ソーセージ以外食べなくなった。それを心配したヨメサンが昨日医者に連れていくという。なんでも聞くとお茶の水に爬虫類専門の獣医がいるとか。さすが東京である。で、血液検査でやっぱりちょっとタンパク質過多だという事がわかって、テトラレプトミンをだましだまし食わせる方法を伝授してもらってきた。で、その血液検査の結果を記した紙にデカデカと「中田カメ子介様」。うーむ、これはシュールと思っていたら、ヨメサンが「診察券にも、ほれ」と。ヨメサン曰く「あたしはネコを飼っていたから、こういう事をするのは知ってたわよ」と。そういえば、私は獣医と関わるのは生まれて初めてだったのだ。世の中にはまだまだ知らない事がある。それにしても、イヌやネコなら名前を強調するのも意味があろうものだが、カメじゃあねえ。


ゴミグモが網にテンションをかけている問題。どうも煮詰まって来たので今日はゴミグモが乗っているときの写真を半透明にして、乗っていないときの写真に重ねて、実際どのように歪みが出ているかをじっくり眺めてみる。写真を撮る時はカメラを固定しているのだけど、ゴミグモがいなくなる事で網自体の位置が少しずれるので、写真を重ねるときはそのずれを調整してやらなければならない。で、あーでもないこーでもないと繰り返しているうちに、これまでは網の中心から見た垂直方向と水平方向の二つだけしか歪みを測定していなかったのだけど、実は上下方向に関しては、少し垂直からずれた場所の歪みが大きい事に気が付く。ほへーと思って、30-40本ある縦糸全てで歪みを計測して、90度ずつに分割して歪みの平均を取ってみると、どうも上下方向の歪みが左右方向よりも大きい様子。というわけで、なんだちゃんと予想通りじゃないかという。いや、全ての写真を計測するまでは断言できないけど。

それはともかく、今回はロクスッポ写真を観察する事もせずに解析にかかろうとしたために、結果的に無駄な作業を繰り返しているわけで、やはり生き物に対する前には、対象を眺める時間をたっぷりとる事を怠ってはいけないのである。あと今回は、最初のあまり考えずに起こしたデータが予想と違っていたために、じっくり考え直す事を余儀なくされたわけだが、それが不幸中の幸いで、(おそらくは)より正確な現象の理解にたどりつけたのである。しかし、もし最初のデータがたまたま予想と同じ傾向であれば、きっと間違った理解のままで先に進んだに違いない。人間のする事だから間違いは避けられないわけだけど、科学という営為にはそんな風に仮説に都合の悪い間違いは排除される一方、仮説に合う間違いは見過ごされるというバイアスがあるものである。と、これは必ずしも悪い事だといっているわけではなく、そういうものだということに注意しておきましょう、という自戒。