正月の毎日新聞に橋本治が養老孟司と対談する記事が載っていて、ちょっと面白かったので「乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない」を買って読んでみた。内容は、「エコノミストが絶対の権限を握ってしまった危機状態」とその原因であるところの「経済はもう満杯になっているのに、現実にまだ経済の発展を考えている」ことの奇妙さについて。そして、めんどうくさいけど色んな事、特に「必要」についてちゃんと考え直す事の大事さについて。がっちりした論証本ではなくて、おそらく作家である著者が直感的に把握した事を色々な書き方で語っている形式の本だから、筆者の言いたい事に概ね同意できる私としてはサクサク読める。しかし、「必要」ベースの経済システムが可能だとしたら、そのシステムの規模は今のグローバル経済よりもずっと小さなものにならざるを得ないんじゃないかとやっぱり思うのだけど、どうなのでしょう。
どうでもいいけど、この本の帯に「『上司は思いつきでものを言う』につづく快刀乱麻のビジネス書」とあるが、これがビジネス書ならば世の本はほとんど全てビジネス書だわなあ。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 新書
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (74件) を見る