海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

締切りの法則

私は法則を発見した。「締切り仕事を、締切りの近い順に片づけている時は破綻が近い」。

私らの商売で締切り仕事は大体が書き物である。自分が論文を書くだけじゃなく、論文読みの報告にしても、助成金の申請にしても、事務仕事にしても純然たる事務的作業よりも書き物的要素を含むものが多かったりする。で、書き物と言うのは書ける時には書けるけれど、書けない時にはまったく書けないものだ。しかし、ありがたい事にいつまでも書けないと言う事はないのであって、待っていればそのうち何かが降りてくる。だから書けないときは書かないのが一番の薬なのだな。つまり、書き物仕事は書ける順、書きたい順に片づけていくのが、出力の質を最も高める王道だと言える。しかしながら、締切りのある書き物だと必ずしもこの理想どうりには行かないのであって、情勢がひっ迫してくると、良いものを作るなんてのは二の次で、とにかく目の前の締切りをクリアしていく事だけが重要になるので、結果的に仕事は締切りの近い順に片づけられる。しかし、これはそれだけ追い込まれている事を意味していて、さらに出来の悪い作文を濫発する事になるので、つまりは破綻直前だと言う事だ。

ということで、私らのような仕事をする人間を追い込むのは逆効果。そう思っているので、裏庭本の編集者としての私は、執筆陣に強く対する事がなかなか出来ないんだよなあ。

で、書き物をする人としての私と言えば、ここ一月ほどに片づけた仕事は全て締切り順。