- 作者: 小松秀樹
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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この本で問題とされているのは、真面目にやっている良いお医者さんが、医療を巡る社会情勢のためにやる気を無くして、病院から逃げださざるを得なくなる事である。確かに、多くのお医者さんは立派な良いお医者さんだとしても、中には悪いお医者さんがいるわけで、悪いお医者さんは何とかして欲しいと思うのが医療を受ける側の素朴な気持ちだと思う。しかし、だからといって、簡単に病院攻撃に出たり、労働強化に走ってしまうと、もっとも大事な現場の士気を損なってしまい、受ける側にとっても悪影響が大きいというのは、教育の現場で起こっている事とも通じる部分が多いように思う(もちろん医療が崩壊する事の方がずっと大問題だと思うが)。
もうちょっと別の言い方をすると、今の日本全体を覆う現場軽視の問題点について書かれているとも読めた。