カメに餌をやっていた上の子が「ママー？」と頓狂な声を上げた。やってきたヨメサンまで「あらー？」とさらに頓狂な声。「た、た、卵が！」。トロ舟のカメ池とガラスサッシの間の狭い空間に、信楽生まれのメスのイシガメであるところのシガボンが産卵していたらしい。なぜメスなのにボンなのかは問うてはいけない。ともかく、「そういえば、ここ数日ウチの中に入ってきては、いろいろ歩き回っていたのでおかしいなと思っていたけど、そうか産卵場所を探していたのね」とヨメサン。通常イシガメは土に穴を掘って産み込むのだけれど、適した場所が無ければコンクリートの上でも産めるらしい。ちなみにシガボンは生まれてこの方同種のオスとまみえた経験はないので、折角の卵だけど無精卵なのよね。
