海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

晴れ男奮闘す

今日の目的はナガコガネの捕食行動をビデオに録る事。ナガコガネはどこにでもいるクモなのに、お盆明けのまだ空の便が混雑している時期に、東京より上海に近い西彼杵まで行って撮影するなんて不思議でしょう?でも、ちゃんと理由があっての事なので追求しないでください。

今回はなめてかかってしまい、今日しかアタックできないスケジュール。予備日無し。なのに天気予報では1時間に100ミリの大雨。まあ、最悪もう一泊延長する事もできるのだけど、お盆明けのまだ空の便が混雑している時期で帰りの席が取れるかどうか微妙だ。できれば今日片づけたい。

で、朝起きてみたら、まだ降ってない。おおこれならいけるかも!と手伝ってくれるS宮さんに電話して、「でもレーダーでは強い雨雲が」という至極まっとうな意見にも抗して強引に出かける事に。しかし、かもめ広場で待ち合わせているうちに、風呂の底が抜けたような雨に。「ここで中止するのも手では?」とS宮さん。きっと行けばなんとかなるよあはあはあは、と自分でもあんまり信じていない抗弁をする私。東京からはるばる来たわけだから、主張を入れてもらって出発。すると市街の北側を通過する頃にはもう小やみになるじゃないか。「ほれー、わたしゃ強烈な晴れ男なんだよー」と自慢する。車はスイスイと走り、目的の棚田に。

こちらも強く降ったらしく、棚田の壁面や斜面から盛大に水が流れ落ちている中、また雨も少し降ってきて、これじゃあ撮影は無理だ。これから雨が止むにしろ、網張ってなきゃどうしようもない。仕方がないので、クモを見つけるのだけやって、S宮さんが実践している布マルチ無農薬栽培を見させてもらう。結構草ぼうぼうになってる。水量管理が難しいらしい。それにしてもS宮さんの田んぼにたくさんいる虫やクモが、畔一本隔てただけの通常の栽培方法の田んぼにはほとんどいない。こんなにスパッとした違いがあるとは。農薬って、ある瞬間に虫を殺すだけじゃなくて、しばらく虫を忌避させる効果も高いのね。

そんなこんなで昼前になって、しょうがないから麓に下りてご飯食べようと言う事になる。その後、網を張る素振りがないか念のためもう一度だけ見に来て、それでダメならあきらめようということに。折角ここまできたので、昼間っから刺身定食食べて、うまうま。再び棚田に上ると、、わずか1時間ほどの間にみんな張り終わっていた!さっきは見つからなかったような個体も見つかって(隠れてたな?)、「ほれー、やっぱり強引にでもやってみなきゃー」とウホウホ4台のカメラで撮影開始。網が小さく横糸密度も薄い短時間で作れそうな網を持つナガコガネのレスポンスは違うね。

しかし、そうこうしているとまた黒雲が湧き上がってきて、二セット目のテープの途中でポツポツ来始める。最初はカメラにビニール袋をかけて様子を見ていたけど、ある時S宮さんと目を合わせて、阿吽の呼吸で撤退開始。カメラをつけたままの三脚を抱え、細く泥濘んで滑る畔を急いで車まで戻ってきた瞬間に、風呂の底が抜ける。まさにドンピシャのタイミングで判断できたと言う事で、撮影は中断を余儀なくされたものの、「うまいことやったった」感を持って終われたのは精神衛生にはよい。

で、達成感の中帰ってくる。今日はプレミアムシートである。じゃじゃん。いや、決して堕落して贅沢になったわけではない。お盆明けのまだ空の便が混雑している時期で、これしか席が無かったのよ。とはいえ航空運賃が1番高い時期なので、普通運賃との差額はわずか3000円。夕食もつくならギリギリ許容範囲という判断。

さっそうと優先搭乗してみるわけだが、よく考えたらTシャツ短パンサンダル履き。しかも田んぼを歩き回ったのでサンダルはまだじっとり濡れていて足首辺りに泥が一杯ついている。こんな汚いオッサンがあのゆったりした別世界に足を踏み入れてよいものだろうか?などとは思わないよ。以前も一度、もらい物のアップグレード券を使った事があるので、初めての経験ではないのだ。とは言え、やっぱり舞い上がる庶民の私。ワインなんてもらっちゃたりして、少しアルコールが入ると空もあんまり怖くなくて良いね。

書き忘れていた。昨日の夜、駅のユナイテッド・シネマで「ダークナイト」。天使と悪魔と人間、の話。じゃあ神様はアルフレッド?