海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

先入観おそるべし

今年アクセプトされたカーン論文はサガオニグモを使ったもので、その主要な結果の一つが、「サガオニグモは捕食の危険を感じると隠れ帯の面積を大きくする」というもの。隠れ帯とは、昼行性の円網にしばしば作られる目立つ白い飾りのことで、この機能としては餌をおびき寄せるというのと対捕食者防御という二つの説がある。で、カーン実験の結果は後者を支持する実験的証拠、という位置づけだ。

さて以前からギンメッキでもカーンをしていて、サガオニグモと同様の結果を得ていたのであるが、今年はまた少し違う実験設定でカーンしている。で、今日だ。カーンは15分間隔で1日5回行っていて、その合間に1個体のギンメッキが隠れ帯を網に追加する行動を示したのだな。これもまた隠れ帯の対捕食者防御機能説を支持するものと言えよう。結構重要な観察だと思うけれども、たった1例だから論文にはできない。そこで、ここに記録しておく事にする。