海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

素材主義

論文でグラフを使う時、私はできるだけ生データに近い形で表現するのが好き。例えば、動物が巣から餌の場所まで行くのにかかる時間を2群で比べる時は、距離と時間の計測値から散布図を描きたがる。しかしながらこういうグラフは往々にしてレフェリーから「個々のサンプルについて時間を距離で割った値を平均して棒グラフにせよ」とか文句が付く。うるさいなあ、それって折角の情報をわざわざ消してる事になるやんか、正確な理解から離れる事になる可能性だってあるんだぞ、と私の趣味的には腹ふくるる事この上ない。とはいえ、正確さを犠牲にしても単純さを優先すると言う基準に全く利がないわけでもないし、第一こちらは何の力もないただの著者。渋々趣味じゃないグラフを描くわけ。

こんな私にとって、依頼原稿はこのストレスから解き放たれる絶好の機会。過去の論文に使ったデータを図で示す時に、ボツにされた生データに近いグラフを引きずり出してきて使うのだ。って、これまでやってきているのだけど、今日もそんな原稿を書いていて、ふっとこの権利関係ってどうなってるのか不安になった。図表的には全くルックスが違っているし、論文を公表した時に生データの権利まで出版社に渡したわけじゃないから、多分大丈夫な気がするけれど、、、