海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

反省二題

4時間半の会議を終えて、上野原に。セミナーを聴くのだ。一つ目はS岡さんの、ニホンザルとクモザルにおける集団の離合集散の様子とその時の発声パターンの比較の話。全体として捉えにくい哺乳類の社会の様子を、採り方を工夫したデータを使って、どうしてもおぼろげながらにはなるのだけれども、明らかにしていく。こういうのって本来のフィールドワークのあり方だよなあ、と、最近は計画された実験ばかりしていて、データが出れば結論はおのずから明らかというやり方に頼り切っている私は、少し自らを反省する。やっぱり、複雑な現象からチラッチラッと漏れでてくる秩序を見つけて、そこから内部の様子をあーでもないこーでもないと考えるのが楽しいのだよね。

二つ目はS原さんの、言語進化の研究は可能か?という大きな話。私なんか、どうでもいい細かい話ばっかりしてきていて、ビッグピクチャーなんて知らないよという態度を取り続けているわけで、こういう話を聞くと、自分ってなんてちんまいんだろうと、やっぱり反省する。でも、こちらで一番面白かったのは、氷の上に乗っているアザラシをシャチの群れが捕食する時の映像の紹介。シャチ的には、餌が氷の上に乗っている限り手が出せないのであって、じゃあどうするかというと、群れ個体が一列にならんで揃って氷の方に突進し、その運動の結果として大きな波を生じさせるのだな。その波は氷の上面を洗って餌を海中に押し流すと言う。強烈にビックリして、これはきっとyoutubeあたりにあるに違いないと思って、帰ってきて探してみたら、ちゃんとあった。
Orca Attack Seal with Waves

次回か次々回は私が喋る予定。