大昔、まだオーバードクターだった頃、もっと若い学生から「生態学を学ぶのだったら教科書より質の良い一般書をたくさん読めば良い。その中に大概の概念は書いてある。しかもその方が楽しい」と言われてそういえばそうだなと思ったことがある。
「捕食者なき世界」を読んでそんなことを思い出した。これはHSS仮説、キーストン捕食者、トップダウン栄養カスケードから生態系保全までがいとも簡単に理解できる良書だと思う。平易に書かれて読みやすいのも良い。この分野に興味を持ち始めたくらいの人(学生さんとか)が読むのに最適。
どうでもいいが原題はWhere the wild things were。後書きにもあるように、絵本「かいじゅうたちのいるところ」の原題をもじっている。しばらく前に、この絵本が映画化されて不思議だなと思っていたが、こうしてもじられもすると言うことは、この絵本は向こうではかなりのポピュラリティーがあるということらしい。私の趣味的には今ひとつピンとこないのだけど。
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