海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ソラリスの下に

集中講義二日目。午前中から上下非対称性の話をバリバリとする。考えている事を全て話すのには大体3時間半ほどかかる事がわかった。いや、そういえばまだ小ネタをもう一つ残していたのだった。4時間コースだな。どうでもいいけど、聞いてくれている学生さんたちがおとなしいので、ついてきてくれているのかどうかいまいち判然としなくて若干不安。もう明日が最後だから修正はいまさら効かないけどね。

さて山形といえばソラリスを経営するフォーラム発祥の地。知らない人のために解説すると、フォーラムとは市民出資を母体とする映画館チェーンのことで、そういう形態の映画館ってのは映画ファンの理想なわけ。好きな映画を見たい人が作った映画館。素晴らしいじゃないか(聞いてますか?>TO○O)。ということで山形に行ったら是非ともソラリスで映画を見たかったのであるな。で、講義が終わって山形牛の焼肉でお腹を満たし、そしてからいそいそと見に行ったわけ。まずは「アンストッパブル」。押してダメなら引いてみろ、という話。至極まっとうに作られていてデンゼル節は絶好調だし上映時間も短いしで面白かった。クリスパインもスタートレックとは打って変わって良い。そして「キック・アス」。世に悪のタネは尽きまじ、という話。傑作だと評判が高いわけだけど、確かに面白かった。なんというか、素直じゃない視点というか対象との間に少し距離を取るというかは知性の一つのありようで、そういう意味で言うとこの作品は極めて知的だと思うのよ。近年こういう作品に出会う機会がとんと減ったから、今日は嬉しかったわけ。しかしソラリスは駅前の便利な所にあって上映作品のチョイスも渋いし、山形の人は幸せだなあ。