海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

半ズボン主義

「動物行動学会 スーツ」で検索してこの日記にたどり着いた方がいるような今日は私の口頭発表の日。当然ながらTシャツ短パンサンダル履きで壇上に上がる。だけど今年は動物心理学会などとの合同大会で、ドレスコードの違う人がいる。つまりスーツの人だ。いやしかしこんなことで気後れしてはいけない。残暑厳しく慶應は節電きっちりなわけで、短パンの体感温度低下能力を存分に発揮してくれん。で、今日は他に二人ほど短パンで発表した人がいたけど、いずれも靴履き。つまり私が一番いい加減な格好の人だったという、まあちょっとした自慢だ。

発表したセッションは、私以外みんな脊椎動物の心理をゴリゴリハードに研究したものばかりで、そんな中クモのやっているホンの細やかな行動の意味を解釈する私の発表はとっても場違い。どうしてこんなプログラムに、と一瞬思いかけたけど、よく考えてみれば私はプログラム委員の一人で、つまり自分で自分をここに配置したのであった。いや真面目なことをいうと、せっかくの合同大会なのだから、いつもは違うディシプリンを持って研究している人を並べるのは面白いはずというのがプログラム委員会の狙いなんだな。まあだけど実際は各学会の人を満遍なく散らばらせるのは難しいわけで、他の学会の人が多数を占めるセッションで一人ポツンと発表する人も一定数出るわね。いや、微妙なところですよ。こういうアウェイな発表は、自分の研究を知ってくれる人の幅を増やすチャンスだともいえるし、スルーされるだけに終わるとただの人柱になる可能性もあるし。というわけで前者になるべく、昨日から発表内容を微調整して、できるだけ細かいことは省いて大づかみに話を理解してもらえるよう準備したわけ。あとは舞台度胸で乗り切ってやるという。で、結果としてはまあまあ上手くできたんじゃないかな、という自己評価。

午後はポスターをずっと見る。複雑にものがある環境でエコーロケーションの時に、反射音が干渉して何がなんだかわからなくなるのを防ぐべく周波数変調して音を出すコウモリがいるらしい。

夕方はS原さんに誘われ、招待外国人の講演を聞くのをサボって駅前の立ち飲みで一杯。その後懇親会のために本体と合流し、二次会へ。セミナーでしゃべれという話二件。まだモテているらしい。で、終わってさあ帰ろうと駅に向かうと最終列車だった。あぶねー。