海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

大人の事情

ウルトラマンランド閉園のニュースに接したからというわけではないが、「ウルトラマンが泣いている」を読んだ。円谷英二の孫で円谷プロ元社長だった方による円谷プロ衰亡記。あのウルトラシリーズを産み出した円谷プロがただの中小企業であって、創業者と次代まではともかく、世襲の三代目になっては過去の遺産をただ食いつぶしていただけで、ついにはにっちもさっちも行かなくなって今の惨状を招いた事が書かれている。ワンマン経営者で現状を招いた三代目とのお家騒動の相手が筆者だそうで、内容をそのまま受け取っていいのかどうかはわからないけれども、まあなんというか夢とか希望とかとはあまりにかけ離れた、レベルの低い話の連続で読んでて鬱になる。一方、これだけデタラメをやっていた企業が曲がりなりにも50年存続できたわけで、その原動力となったウルトラマンの持つポテンシャルに改めて感心するとともに、そのポテンシャルを産んだクオリティーの高さが、元から持続不可能性をはらんでいた事に複雑な気持ちになる。しかし、これを読むとメビウスの後に、どこかの惑星の荒れ地みたいなところが舞台になる事の多かった大怪獣バトルが展開された理由が良く判るわけよ。あれは視聴者的には謎の展開だったわけだけれども、経費削減のためには、破壊される街のミニチュアをいかにして作らずに済ませるか、と言う事が大事だったのね、という。