海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

テレビ

朝から盛大に降り続く雨に吹きすさぶ風。これじゃあクモもどうしようもないなあと思っていたらば15時ごろ風雨が弱まったので確かめてみたところ7個体が全部健在。すげえなあギンメッキ。しかしさすがに今日はまだ吹き返しも残るし、実験準備を今からするのも何なので、家族でシネコン。「トランスフォーマー/ロストエイジ」。イノベーションが世界を滅ぼす、と言う話。まあトランスフォーマーはいつもひどい映画なわけだけど、(特に1作目は)それなりのチャームがひどさを補っている部分があったわけだが、今作はもうどんなチャームも補えないほどの度を越したひどさであった。話が訳がわからなかったり、登場人物の行動がご都合主義なのはまだ許せる。一番アカンのは、前半あったいろいろ思わせぶりなシーンの数々が、最後まで全部ほったらかしなこと。ウォルバーグはデート禁止で妻を亡くして以来一人で娘を育ててきたんでしょ。美人考古学者と敵の工場で出会うでしょ。美人考古学者はジョブズモドキと昔恋仲な一方でジョブズモドキの部下にリービンビンがいるでしょ。これだけ伏線を張ってるんだから、ウォルバーグと考古学者に恋心が芽生えて、それがジョブズモドキとの三角関係になって解決への障害になるんだけど、最終的にジョブズモドキはリービンビンと恋に落ちてみんな収まる、って、どうみたってそういう話になるでしょ。そしたら登場人物がそれなりに事件を経て成長するわけじゃないですか。その心の変化に観客は感情移入するんですよ。それが、本編はまったくこのような展開を見せず、これだけ出てくる(他にもいっぱいいるが)キャラクターがただ出たり入ったりを繰り返すだけ。折角ちゃんと設計されている脚本が台無し。これははっきり言って、映画、というか物語に対する冒涜ですよ。ベイ許せん。じゃあ物語を描かずに何を描くかって言うと、お金への仁義ですわ。プロダクトプレイスメントか何か知らないけど、登場人物たちは脈絡もなく戦いの途中でビール飲んだりさ。まったく必要もなく映画の後半で舞台が香港に移ったりさ。話の展開とはまったく関係なく恐竜型のトランスフォーマーを出してきたりさ。作品の完成度よりも、スポンサーの要求を満たす事や金を落とす市場への目配りを優先するなんて、映画に対する冒涜ですよ。ベイ許せん。スポンサーや視聴者に過度におもねったメディアがどうなってしまったか思い返せば良い。どうでもいいけど、ジョブズモドキのキャラクターがアメリカが舞台の前半と後半とで一貫性がなく、前半では骨のある人として演出されていたのが後半ではキーキーわめくだけのただの弱虫として演出されているのもまったく理解できん。ひょっとして後半は監督を香港の人に下請けに出したとかじゃないのか?というわけで、久々に映画を見て憤怒に襲われたよ。