海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

カインとアベル

と言うわけで午前中は薪をもらいに近所の森林ボランティアの本拠地へ。以前にお金を払って、ウチの薪ラックにスペースがないので置いてもらっていた針葉樹薪がいつのまにか使われて半分ほどなくなっていたので、代わりにコナラの丸太をもらう事に。薪としてはコナラの方が良い反面、乾燥しないと使えなくって、今年の薪の在庫がどんどん減って三月が不安な現状の解決策としては期待外れ。まーしゃーない。とは言え丸太は予定よりもたくさん譲ってもらっておそらく0.4㎥ほど。再来年の目処がこれで少し立ってくる。薪はもちろん車で運ぶが、ウチの駐車スペースから薪ラックまでは人力。距離は少しとは言え量が多いので、良い運動になった。

で、午後は恒例の町の小中学生将棋大会。この大会にウチの子が出るのも4回目である。特になんと言う事もなく出た初回に上の子があれよあれよと準優勝しちゃったのに勢いづいて、ヨメサンが地域の子供将棋サークルを立ち上げたり、隣町から将棋の先生呼んできて子ども教室を開いたりして奮闘努力しているのだけど、そんな大会に上の子が小学生として出るのはこれで最後。この大会の中学生の部は盛り上がってなくて参加者が少ないので、実質的にこれが最後の大会だ。で、これまでの経緯を説明すると、初回が書いたように上の子が準優勝、ぶーちんが予選通過。二回目の大会では高学年の部の上の子と低学年の部のぶーちんがいずれも準優勝。去年の三回目では慢心したのか二人とも二回戦負け。今回は雪辱のためたっぷり準備して、満を持しての参加である。棋力的には、上の子とぶーちんの間には割りと差があるので、今年は上の子の優勝が最大の目標だ。くじ運がよければ兄弟でワンツーフィニッシュ。で、その最大の障害が、初回の大会で上の子を、二回目の大会でぶーちんを降した山田太郎(仮名)君だ。山田君は去年の大会でも優勝していて、ぶーちんと同じ学年なので、今年は上の子、ぶーちんと共に高学年の部で激突するはず。ところが、フタを開けてみたら理由はわからぬものの山田君不参加。ということで、上の子の優勝の確率が高まったのである。本当は不倶戴天のライバルに勝って優勝したく、棋力的にも行けると踏んでいたのでちと残念な気持ちもあるけど、まあ、優勝しやすくなったんだから贅沢を言ってはいけない。とか言いながら大会開始。上の子もぶーちんも順調に予選突破して決勝トーナメント。くじ運も良く上の子とぶーちんは決勝まで当たらない組み合わせだ。で、本戦も順調に勝ち上がりベスト4。残っているのは全員ヨメサンの主催する将棋サークル・教室の参加者で、そうかやっぱり練習するのって大事なんだなあという。で、この面子なら言っちゃ悪いがウチの子の敵ではないので、この段階で兄弟で決勝戦になるのはほぼ確実。どう転んでもウチが優勝をもらえるだろうと言う展開に。で、目論見通り二人とも勝ち、ホントに二人で決勝戦だ。こんなに安心して見ていられる対局もないわい。で、相振り飛車戦。最近二人ともそれが好きで、ウチでもずっと研究している。私も手合わせ願うのだけど、その時に子供らはなぜか美濃囲いに組むのだな。相振り飛車だから正面から来る攻撃に対処するのになぜ横からの攻撃に備える美濃にするのか?と散々に問うているのに、誰かに似て唯我独尊なものでちっとも言うことを聞かない。で、決勝戦でも二人ともそうだ。まあ、どっちも同じなんだから優劣はないのだけどさ。で、棋力通り上の子がじりじりとぶーちんを圧迫。特にこの子は端攻めが上手で、今回もそこで先端を開きはじめて、うむうむ順当であると思ってふと目をそらしていたら、気がつくともうぶーちんが猛攻していて上の子の陣形ずたずた。うわー、これは大番狂わせか?と思っているうち投了。何と言う事か上の子最後の大会でまさかの伏兵ぶーちんに優勝をさらわれると言う。実力的には上の子が勝っているはずだけど、まあ、勝負事にはこういう事ってあるよね、という。長子の呪いと言うかなんというか、こういう時の期待から来るプレッシャーで実力を発揮できない上の子と、お兄ちゃんが風除けになってくれるおかげで伸び伸びできて本番に強くなる弟、って典型的な構図であることだ。ともかく、残って対戦を見守っていた他の子たちにも走る動揺。あのお兄ちゃんが負けるなんて、みたいな。こういう事があるから、みんなも最後まで諦めずに指すんだよ、と言う事を学んでくれたら良いよね。で、さすがに上の子呆然として、ぶーちん得意満面だ。親としても嬉しいけど複雑なところもあるよね、という。

で、話はここで終わらない。ウチに帰って感想戦。たまたま何枚か対局姿を写真に収めていたので、盤面を拡大して戦況を再現。確かこの辺で戦況が急に傾いたんだよな、というところで、どうしても再現できない差し手がある。で、あーでもないこーでもないと考え記憶をひも解きひも解き、最終的に、複数の写真の遷移を説明するには、ぶーちんが二歩をしたとしか考えられない、という結論になった。上の子もテンパっていて、差し捨ての歩だったのですぐに取ってしまい気がつかなかった様子。しかも連続して二回も二歩をしていたらしい。そのおかげで守りの銀がつり出されて崩壊したと言う、どうもそういう話らしい。二歩は指摘された段階で有無を言わさず負けだけど、気がつかずに終わってしまえば問題ないわけ。だから、ルール的にはぶーちんの優勝は揺るがないのだけど、でも、本来ならば、二歩で決勝戦の決着がついていたはずだという。私的には何だか爆笑で、上の子とぶーちんの間に流れてた微妙な雰囲気もどっか吹き飛んでしまって、それはそれでいいんだけれども、なんともまあ締まらない話ではあるという。しかし決勝戦で二歩するかなあ。恥ずかしくって誰にも言えないよ。書いちゃうけど。

ということで、まあでもワンツーフィニッシュだった事は確かだ。ので、いつものように回転寿司で晩ご飯。デザート付き。