海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

働いてるアピール

先月初めにアクセプトになった論文がオンラインで公開になったので、概要を解説しておこう。円網を張るクモには、コガネグモのように目立つ体色をしているものがしばしばいるが、それは目立つことでミツバチのように花を探す餌を誘引しているからだと言われていた。一方、ギンメッキゴミグモでは体全体が銀色の個体や銀地に黒斑を持つ個体、黒斑が大きく広がり真っ黒になっている個体、と個体によって目立ち度合いが様々である。で、このギンメッキで目立ち度合いと餌の採れ具合の関係を調べてみたら、これまでとは違って良く目立つ銀個体より目立たない黒個体の方が餌をよく採っていたという結果が得られたという。ギンメッキは小さなクモで、ミツバチよりもっと小型の餌を専ら採るのだが、その餌の目立つ物体に対する行動がハチとは違っているのだろうというのが解釈だ。ギンメッキという名前だが、実は銀はエサ取りに関してはお得じゃないという。

てなこと言っていたら、パースからメール。某科学雑誌に記事を書くかもしれないから、詳細の解説と写真をくれとのこと。送っておく。二年ぶりの論文出版だし、記事になればいいな。

明日からケアンズで学会で、帰ってきたら国内の学会のお世話をしなきゃならず、これから半月ほどは大忙しなので、今のうちに、と夜にシネコンへ。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」。お前妻帯者やったんちゃうんかい、という話。危機一髪で問題を解決していくハリウッド映画に対する哲学的考察がチラチラほのめかされるのだが、掘り下げられることなく残念であった。あとは普通の良くできたアクション映画。