海の底には何がある

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良問

千葉の県立高入試で“難問” 受験生の半数0点 道案内の作文、選択肢に混乱ってニュースがあるから何の事かと思ってみたら、国語の試験で

地図を見ながらおじいさんを道案内する作文を書く
というものらしい。で、問題は
「まずおじいさんがどのような様子なのか、一つ仮定しなさい」として、「急いでいるようだ」「体力がなさそう」「とても元気そう」「時間の余裕がありそう」の四つの選択肢から、一つ選んだ上で書くように指示している
のだそうだ。「仮定しなさい」であるからもちろんどれを選んでもよかったわけだが、受験生はどれかが一つ正しい選択肢であると考えて混乱し、泣きだすものはいるわで正解は16%しかおらず、46%が0点だったそうな。

これは回答の自由度が高い素晴らしい問題である。これを問題視するのは受験業界のゆがみであって、選択肢の中には必ず正解があると教えてきた事とそれを唯々諾々と受け入れた事に対する当然の帰結だ。千葉県の出題担当者は胸を張って「受験テクニックとしてしか世界を認識していない生徒と、そうでない生徒を選別できた」と主張して欲しいものだ。そもそも、国語の試験で仮定という言葉の意味を読み取れないのだから、0点与えて何が悪いのか。

そういえば私が大昔に大学院の入試を受けたときの過去問で、「日本にはじめてきた外国人が今京都駅について、研究室までの道筋を電話で尋ねてきた。あなたの返答を英語で書きなさい」というものがあった。で「タクシーに乗って、大学まで、と言え」とだけ書いた人がいて、もちろん正解だったそうだ。実際京都の大学で研究室にいると、日本に来るついでに京都を訪れる外国の研究者の観光案内をする機会がしばしばあった。上の問題にうまく対処する事は大学院生になるための重要な要件だったんだな。