海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

旅の法則

朝起きてみると、ぶーちんがお腹が痛いと言う。旅先では子供が体調を崩すものである。これが大宇宙の法則と言っても良いくらい確実であるのは、子育てをしたことのある人なら概ね同意してもらえるであろう。

とはいえ、最近ぶーちんは少し機嫌が悪いとすぐお腹が痛いというので、今日もおおかた寝起きが悪かったか、もしくは夜に腹を出して冷えたかというところだろうと真面目に取り合わなかったわけだ。しかしそのうち訴える声が切迫しはじめ、飲んだ水を嘔吐するに至り、これはイカンとフロントに近くの病院の場所を聞くとサンテインおたりの裏に診療所があると言うので出かける。ちなみにこの時「小児科はありませんか?」と聞いて「大町まで行かないとありません」と返され、都会人の無知をさらけ出したのはヨメサンである。さて診察によると「旅の緊張で糞詰まりになってガスが溜まって気持ちが悪いのでしょう」との事。ホッとする。どうでもいいが、診てもらっている間に、マイクロバスに乗ってどやどやとオジイサンオバアサンの集団が到着して、その様子に少し感じ入る。一方、この後だったらどれほど待たなきゃならなかったことか、と冷や汗もかく。それはともかく、座薬をもらってホテルに戻り、出せば元気になるに違いないと待つ一同である。しかし首尾よく出てもぶーちんは機嫌が悪いまま。ぶーちんは極めて逆境に弱く、体は治ったのにも関わらず精神的にやられているというのがここに於ての親の見立てだ。だからもう心配はないのだけれど、時間は既に正午近い。このままだと折角の晴れの日をホテルでグズグズ過ごすことになるじゃないか。それは困る。

ということで、ぶーちんをおだてつつ鼓舞しつつ、栂池に登ることにした。登ると言ってもゴンドラとロープウェイで高原の自然植物園に行くだけだから何のことはない。もしぶーちんがグズグズ言えばおんぶしてやればいいのだ。で、ハナカミキリと中高年の山登り客がわんさかいる湿原を満喫してきた。帰り時には麓を覆う雲にゴンドラで突っ込むというお楽しみつき。

夜は元気になったぶーちんの所望で洋食を食べるべく白馬の町をさまよう。で、ピンと来た「グリルこうや」というところに入ったら当たりで、とっても美味しかった。夏の白馬も良いところだという結論になった。