海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

読書二冊

もう終わったが今年はずっと龍馬伝を見ていた。大河ドラマを年間通して見続けたのは初めてな気がする。いや、私のルーツをたどると高知と長崎に辿り着くし、しばらくは京都に住んでいたし、更には長崎時代は亀山社中のそばに居を構えていたわけで、もし私ができの悪い企業の経営者だったりした日には、必ずや自分を龍馬になぞらえていたこと請け合いである。

それはともかく、龍馬伝を見ていて劇中トーマス・グラバーの振る舞いが急に変わったことに興味を憶え、その頃たまたま時間つぶしに入った本屋に「長崎グラバー邸 父子二代」という本があったので読んでみた。すると参考文献に長崎時代の同僚氏の書いた本があげられていたので、これも求めて読んでみた。その「花と霜ーグラバー家の人々」も合わせて、幕末の主要プレーヤーの一人であったグラバーと、その息子で後半生を日本と西洋との対立に巻き込まれ、原爆投下に続いた終戦の直後に自死した倉場富三郎の一生が描かれている。私的には筆者との個人的な繋がり(と言っても極めて薄いものだが)にある程度の分量が割かれ少々感傷的なトーンも混じる前者より、たんたんとグラバー家について綴られている後者の方が(贔屓目かもしれないが)面白く読めた。

長崎グラバー邸 父子二代 (集英社新書)

長崎グラバー邸 父子二代 (集英社新書)

花と霜―グラバー家の人々

花と霜―グラバー家の人々