海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

自由こそすべて

学会中に「絶望の裁判所」を読んだ。元裁判官が、日本の裁判所システムが官僚制度にいかに蝕まれており国民のためになっていないかを自らの経験に基づき告発した本。前任校で現代法学部と言うところにいた以外、司法とは全く無縁に生きてきた当方としては、この本に書かれている事のあれこれはあまりにひどく、にわかに本当とは思えない部分もあるけれども、一方で何人か顔のちらつく人もいたりして、ああいう人たちがすべてを占める組織っちゃあ、そりゃ悪夢みたいなものかとも思われる。それにしても、人事をてこにした上からの統制とそれに下からへつらう動きが合わさってできる異論排除の強烈さってのは、裁判所に限らず身近な社会のそこここに見られるじゃないかよなあ、と思いながら読んでいたら、最後の最後で著者も同じ事を書いていて同意する。著者によると学者は自由主義者なものだそうだが、そうなると私もその一人なのであって、そりゃあ日本社会に居心地が悪いはずだ。ところで、著者は学者の資質を持った裁判官と自任されているが、この本を読む限り、学者というもののあり方が法学分野と私の知る分野とは全く異なっている事がよくわかるという。まあしかし、この本に書かれている怒りの大きさは本物であって、そのエネルギーだけで最後まで読む事のできる書であるよ。

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

今日はウチの子の学校では卒業式。ウチの子はまだだけども、PTA副会長たるヨメサンも出席。という事で、この一年忙しかったヨメサンももうすぐその任が解かれるわけで、一年間ご苦労様でしたと慰労の焼き肉を夜に食べに行く。食ーべ放題ヨロレイヒー。間違って石焼きビビンバとか頼んでしまって効率悪し。いや、しかし、自分で選んだから良いのである。I井さん曰く、自己決定は食事の満足度を決める重要な要因だということだし。