海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

趣味と実益

明日からの学会に合わせて今日一つ関東での用事があるので、1時間目の授業を終えて新幹線に飛び乗る。目的地は淵野辺にある東京近代美術館フィルムセンターの収蔵庫。私もメンバーに入れてもらっているI田さんの動画アーカイブプロジェクトのための視察である。ということでI田さんY田さんNさんと落ち合って現地へ。通された場所にさらっと70mmオプチカルプリンターが展示してあって、自称シネフィルの私としては興奮してヨダレ出ちゃう。で、案内いただく方との挨拶もそこそこに、フィルムの検査の現場を見させていただく。いろんなところから集まったフィルムを一つ一つ調べ、状態や何が写っているかをデータベースに保存するための記録を取るところだ。で、私たちとしては、そこを本職の人たちはどうやっているのかが興味の中心だったわけだけど、基本完全に人力であることがわかったという。各カット各カット全部見て、内容をキーワード化して静止画にも落とす。プライベートフィルムだと内容と言っても見ただけではわからないので、検索などして同定していくのだそうだ。その人のセンスと才覚に主に依存する作業。それは楽しそうであるとさらによだれ倍増。で、面白かったのは16mmや35mmはフィルムを見るための専用機械があるのだけど、8mm、9.5mmにはそういうのがなくて、手製の巻き取り器とルーペを使って中を見て、ルーペにデジカメ押し当てて静止画化しているという。小さなフィルムの方が進んでいると思い込んでいたので意外だった。その後は、収蔵庫を見せてもらう。建物の地下にずらっと並んだフィルム缶の列。棚にはタイトルが書かれているけど、あの映画やあの映画のフィルムがこんなに!と思うとよだれで海ができるほどだ。ということで、2時間強ほどのもうたまらない時間を過ごしたという。いや、生物の研究者として生きているわけだけど、こうしてたまに仕事として映画と関係することって、これまでも何度かあったけど、その中でも最もエキサイティングな体験だった。いやー生きててよかった。で、4人で町田に行って晩御飯。別れた後は私は武蔵小杉の裕福な仕事人ホテルへ。明日からの宿は学会会場近くの品川なのだけど、今日の宿は最近取ったので、少し離れたところという。