海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

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「デマとデモクラシー」を読んだ。こないだ辻元さんとお話しさせてもらった時に、「ちょうど刷り上がりができたところで」って紹介してもらった本だ。で、近頃この社会にはデマが非常に多くなっていて、国会議員でその被害を一番受けてるのが辻元議員だろうが、本人はずっとそれを無視してきたところ、街頭演説時にそのデマを真に受けた暴漢に襲撃されたことを機に、これはまずいと反論して封じ込める方向に転じ、それと関連して書かれた本ということである。まあ、その内容についてはこれまでもネット記事でいろいろ目にしてきているところでもあって目新しいところはなかったわけだが、本一冊をデマの反論に使うってことにもならないわけで(なんせデマを蒔かれている本人が言える事ってのは、それは違います、に尽きるからね)、話はすぐに昨年の安保国会の攻防に移る。ここを読んでいると、あの時の何とも言えない怒りとやるせなさが相まった感情がいやおうなく思い出されてくるのであるな。で、次の章が小林よしのりとの対談になってるのだが、これが彼のダメさがよく現れていて、オレ様論旨の展開のムチャクチャぶりと会話のかみあわなさぶりにションボリする。他の章は一気に読めたのに、忙しいとは言えこの章を読むのに足掛け三日もかかった事でその質も知れようと言うものだ。その次の章が内田樹との対談。これも彼の言ってる事はいつものやつなので目新しさはなし。とはいえ、会社人の世界観が世間で強くなり過ぎるのは良くないというのは同意できる。会社の人は、自分の知らない世界があることについて、もちょっと謙虚になった方が良いよ。で、最後の章が、辻元さんの民主主義・立憲主義に対する意見表明になっていて、極めてまっとうな主張になっていて、安心である。ということで私的には、ほとんどミーハー心から買ったタレント本のようなものなので、内容的な事に文句言う心性にないわけで別に構わないんだが、まあこの本は日頃まったく政治の事は知らないって人向けかなといったところ。いや、こういう本もあってかまわないんですよ。っていうかちゃんとあるべき。