海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

右往左往

行動学会の学会誌はJournal of Ethologyといって、某出版コングロマリットから発行される国際学術誌である。で、私がここの編集長になって三年目、この時期のお仕事は次年度の表紙を作ることだ。作業としては、既に受理されて来年出版されることが決まっている論文の著者に連絡を取って、素敵な動物写真を送ってもらうのだな。で、一昨年はショウジョウバエ、去年はウミウシの写真を使ったので、今年は陸上の脊椎動物のがほしいよな、と思ったわけ。某コングロマリットからは9月ごろに送れといわれていたところ、その当時受理されていた論文で陸上の脊椎動物を対象にしていたのは一本。キツツキのものしかなかったので、アルゼンチンの著者さんに連絡してみたら喜んで送ってきてくれたのは良いのだけど、その写真に写ってるのは論文に載ってる種と違うじゃん!これあかんので研究対象種のはないの?と聞いたら、ないんだそうで、これはゴメンナサイということになった。で、困ったなあ、今手元にある他の論文って言ったらサソリかガしかなくって、どっちかといえばサソリだけど、でもなんかイメージ固定されちゃうしなあ、と逡巡するわけ。で、そうだ!今、もうすぐ受理されそうなもののなかにデバネズミのがあるぞ。これがいいやオレも見たいし、と思って、コングロマリットに「いつまで待ってもらえますかね?」と訊ねたところ11月13日がギリギリ、っていうじゃないか。じゃあ余裕じゃん、と、受理を待ってチェコの著者さんにメールしたわけ。で、メールしたことに満足してすっかり忘れてしまうわけだなこのオレったら。著者さんから返事がないことに気がつかないまま、先週コングロマリットから「表紙写真どうなってますか?」とリマインドが来て大慌て!!ぎゃー!!!で、デバネズミはあきらめて他のは無いかと思っているとこの一ヶ月強の間にナマズとヤギのを受理していた。が、ナマズは見た目地味だし、ヤギのは家畜じゃんねー。家畜はあんまり出したくないなー、やむないこのペパーミントナナフシなら色もキレイだし、著者はフレンドリーなオーストラリア人だし、何かくれるだろう、と思ってメールしてみたら返事がなくて、締め切りは目前に迫るし焦るのよオレ。と、そこに校正を著者に送ったという連絡が来て、なんだっけ?と思うと野生馬の論文じゃん!!!!これだ!!!!!!著者はよく知る人なので、必ずや協力してくれるはず!!!!!!と思って連絡したら良い写真が来たんですよ。っていうか何枚もあった。で、中からよいものを選んでいるときに、オーストラリアから「遅くなってゴメンこの写真どう?」ってメールが来たので、あああおそかりし由良之助、とお断りの返信を出す。ということがいろいろあって、やっと選定した写真を締め切り一日前にコングロマリットに送ったらば「待ったかいがあって良い写真ですね」とお褒めのお言葉をいただいたという。