海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

フランク

先週水が入らず田植えを断念して、その後面積を縮小するもののやはり水が入らず、地主さんにもう今年は諦めなさいと引導を渡された田んぼの件、そうは言っても既に準備している苗があるわけで、これは陸稲にでもするかということになって、もう植えるなら今日がタイムリミットだ。陸稲と言っても水がいるわけで、とりあえず朝6時半にヨメサンが田んぼに行ったら地主さんが水を入れてくれていたらしく起こされた私も準備して8時半ごろに出かけたら、もう水は引いていて、あーやっぱダメなんだなあ、と絶望するも、どうも上流部で他の田んぼが水を入れているらしく、こっちまで回ってこないので水がたまらないということらしい。そうかなるほどこういうことから村同士の水をめぐる抗争になるわけね。で、地主さんはヨメサンと上流の様子を見にいく。そうこうしているうちに友人が手伝いに来てくれて、この友人は測量の技量を持っているので、取水口とか田んぼの高さを測ってくれる。すると、取水部の底から田んぼの1番高いところを比べると、田んぼの方が5cm高いのだとか。っていうことは取り入れ口の水位が5cmになってやっと田んぼと同じ高さになるということだ。で、取り入れ口の水位は10cmにもなると水が脇から漏れ出ていく仕様。これ、水が入らないのも当然である。ということで友人と顔を見合わせ、土を高いところから低いところに移動させるか、もしくはいっそ外にかい出さねばならん、という結論に達する。しかし地主さんはその必要はないと言うのである。こうなると借り手の立場は弱い。どうしたもんだべ、とか言ってると水がドバドバ流れ始める。と、地主さんも帰ってくるので、とりあえず水の入ったところからトンボで土を練りはじめる。地主さんによると、練って泥の層を作ればそこで水が染みなくなるとのことなので、少しでも事態が改善すれば、と願ってのことだ。で、この作業は楽しいわけよ。水はドバドバ入り続けて、みんなで前線部を練る練る練る。すると、前線がどんどん進むわけ。けど練って出た土はどうなるかっていうと、陸地側に寄せられていき、つまり土手がどんどん大きくなるわけ。これじゃあただでさえ高い奥部がもっと高くなるじゃんヤバい。と、水が突然流れなくなる。ははーんさてはまた上流で水を取り出したな。これはクワでも持って打ちこわしに行きたくなるわ。仕方ないので今度は後退する前線に沿って練るのだけど、今度は土手化した土をまだ水の残っているところに移動させて底面の平準化を図るわけ。しかし水はどんどん引き、もうこれは上でまた水を流してくれるまで様子見やわ。私が待機してるので友人諸君は一旦帰りますか、という話になる。実は昨日から「女帝 小池百合子」を読んでいて、今ちょうど希望の党騒動のところで、もうめっちゃ続きが読みたいので、待機を名目に木陰で読もうと企んだんだな。そしたら、また急に水が出てくる11時。すわ、と帰りかけた友人たちがまたトンボで練るわけ。すると、練った先から水がどんどん入ってくる。どうやら、本当に泥の層ができて浸透速度が低下したらしい。で、浸透量より流入量がついに上回ったようで、後は水の広がる先に練っていくことでポジティブフィードバックだ。さてはと思って自然にできていた土手を切ってみると、水がわーっと広がっていくときの手応え。これ、最後まで水入れられるんじゃね?で、見ると友人は一生懸命土をかいだして、畔板の向こうの土留めとして運んでいるではないか。こうして高さも下がっていき、ついに前面が水で覆われたのは正午前。やった!もう諦めていた水田が実現するぞ!!ということで、感動しながらお昼休憩。こんな大事な時に、講演会に参加のため中座して肝心な瞬間に立ち会えなかったヨメサンとお昼を食べ13時半に再集合。ついに田植えだ。52歳にしてついにこれを実現するのである。つうことで1.8m幅に紐を張ってみんなで並んで手で植えていく。人によって丁寧さにばらつきがあり、もちろん1番ザッパなのは、、武士の情けだ言わんでおこう。で、やってるとどこで聞きつけたのか入れ替わり立ち替わり人がやってきて、後から数えると13人いた。で、2時間半ほどかけて終了。少し曲がった苗の列を眺めて悦にいる私とヨメサンと友人だ。いやー、紆余曲折あったけど、なんとかここまでこぎつけたよ。こういうのを心地よい疲労ってんだな。なんせ8時半から述べ2時間ほどの休憩を挟んで16時半までずっと肉体労働だったからな。で、流石に誰も晩ご飯作る気にならないので2か月ぶりに外食。そんなスシローには感染対策の様子は1ミリも見られなかった。大丈夫か?