海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

一気読み

いまさらながら「三体」を読んだ。反知性主義は人類の敵、という話。最初、なんだか話が良くわからなくて、かつゲームの世界という設定にイマイチ乗れない老害たる私というのがいて、なんか評判ほどに面白くないなあ、と思ってたのだけど、半分くらい過ぎたところから俄然面白くなって、そこからは一気に読んだ。で、解説にもあったけど、文革のシーンを冒頭じゃなく途中に持ってきていれば、もっとスムーズに話に入れたと思われるのだが、でもそういうことすると文学的な深みに欠けるのかもしれんね。「星を継ぐもの」以来の興奮、みたいな惹句を読んだことがあるけど、それはミスリーディングで、これはゴリゴリのハードな話じゃなくって、むしろ文学的要素が魅力なんだと感じたのね。人間というものに対する絶望というか諦観というかがこの作品の基底にあるでしょ。

三体

三体