海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

新しい職場は学術雑誌が充実していて、長崎にいたときの情報砂漠とは大違い(なんせNatureすら満足に読めなかった)。嬉しくなっていつになくお勉強にいそしむ毎日。で、今週のNatureにはローザンヌのケラー先生を含む著者達の「Tug-of-war over reproduction in a social bee」という論文が。Halictine beeでは血縁度がReproductive skewと負の相関を持ちコロニーの生産性と正の相関を持つ事、単独創巣の成功率も共同創巣による生産性の向上のどちらもReproductive skewと相関しない事から、Reproductive skewは繁殖者の間の「合意」の上に成り立つのではなく、各メンバーが利己的に振る舞った結果であるという結論を導いている。別の言い方をすると社会の全てをコントロールしているパーティーは存在しないと言う事で、なるほどそう考えるともっともらしい。で、この結論は見方を変えると「血縁構造はReproductive skewに影響するが生態的要因はそうではない」と言っているのであって、いかにもケラー先生が絡んでいる論文と言って良いのかどうなのか。それにしてもまたまたNature。ケラー先生相変わらず剛腕なことだ。

で、ひとわたり勉強して満足したので帰ろうと歩いていたら、昨日の演習を取っている女子学生二人組に声をかけられる。なんでもチアリーダーで練習しているらしい。「僕は今から帰るんですよ」と言ったら「どこですか?」というので「中央線の向こう、歩いて5分」。すると一人が「あたしなんて二時間もかかるから帰ったら11時」と。「ほうそりゃ大変だ。で、もう一人のあなたはどこなの?」と聞くと「ウチは割と近いんですけど。今は。。」とか言うので「何君は一人暮らし?」とか突っ込んでみる。するとしばらく躊躇された後に「今は彼氏と一緒に、、うきゃきゃきゃっ」と来たもんだ。当方内心非常に動揺したものの、ここが踏ん張りどころとなんとか平静を装ってみた。長崎の素朴な子達と暮らしていた私には刺激が強いよ。っていうか、これが東京に出てきた実感って言うの?